麻生邸ツアーと麻生財閥
メーリングリスト[AML 22790]
2008.12.21
半月城です。
戦時中の麻生財閥は低賃金でこき使えるなら、朝鮮人であろうとイギリス人捕虜であ
ろうと、なりふり構わず酷使していたようです。先日、麻生鉱業が外国人の捕虜を働かせ
ていた事実が明るみに出されました。読売新聞はこう報道しました。
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「麻生首相の親族企業で戦時中、外国人捕虜が労働…公文書で判明」
読売新聞、2008.12.19
麻生首相の親族が経営していた旧「麻生鉱業」の吉隈炭坑(福岡県)に戦時中、300
人の外国人捕虜がいたことを示す公文書を厚生労働省が保管していたことが18日、わ
かった。
民主党の藤田幸久参院議員に同省が文書を開示した。同社の炭坑で捕虜が働いていたこ
とについて、首相は先月13日の参院外交防衛委員会で「事実関係は確認されていない」
と述べていた。
公文書は陸軍省を引き継いだ第一復員省などが作成したとみられ、同炭坑の捕虜収容所
に1945年5月10日から終戦の8月15日まで、オーストラリア人197人、英国人
101人、オランダ人2人がおり、うちオーストラリア人2人が6月と7月に死亡したと
記載されている。
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読売新聞はさらに「麻生鉱業の捕虜問題を巡っては2006年11月に米国紙が報道
した際、外務省は当時の麻生外相の指示で在ニューヨーク総領事館のホームページに反論
を掲載」したことも伝えました。
当時の麻生外相はその地位を利用して事実を隠蔽するのに努めたようでした。それに
踊らされた総領事館は、今回の資料が見つかったことを受けてホームページの反論を撤回
したとのことなので、まったく面目丸つぶれのようです。
麻生鉱業といえば、筑豊御三家のひとつですが、そのあくどさは一際目立つようです。
鬼の特高さえ、麻生の労働者酷使について「朝鮮人が起ち上がらざるをえない状況があっ
た」と語るくらいでした。その特高は麻生鉱業の実状を次のように証言しました。
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翌7年(1932)の夏、降って湧いたような爆発的な朝鮮人争議が始まって、私がその主
務となって直接タッチすることになった。労働運動を本格的に手がけたというか、まあ最
初の仕事だから私にとっては生涯忘れられんよな。
麻生系の炭坑と三菱系の炭坑は、筑豊では朝鮮人坑夫の数が最も多く、日鉄系の炭坑
なんかはその数では問題にならん。麻生が経営する炭鉱では殆どのところで使っとったか
らね。
被差別部落出身坑夫と同様、安い労働賃金のうまみがあったからではなかろうか。納
屋制度でがんじがらめに縛りつけられ、朝鮮人は徹底的に圧制されて働かされていた。
その納屋制度そのものの弊害も大きいこともあるが、賃金、労働条件、待遇なんかで
朝鮮人の不満が爆発したわけだよ。賃金は安いし遅配はするし、休日はないというように、
朝鮮人が起ち上がらざるをえない状況があったからね。
納屋の頭領とか人繰りはもちろんだが、朝鮮人を人間として扱わなかった炭坑を、個
人的にもよくは思っとらんやった(注1)。
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ちなみに、麻生鉱業の強制連行について『週刊金曜日』(10/3)は「朝鮮人強制連行で
富を築いた麻生財閥」と題して、こう記しました。
「戦時中に朝鮮人を強制連行した企業名と連行者数を今日まで明らかにされている範囲
で見てみると、三菱鉱業会社が13,390人と全国トップで、麻生鉱業が10,623人と二位(厚
生労働省資料より)」
連行した朝鮮人を人間として扱わなかった「圧制やま」での暴力の横行、その典型例
が「キン玉事件」ですが(注1)、他にも麻生鉱業では多くの犠牲者が出ました。『週刊
金曜日』はさらにこう続けました。
「福岡にある麻生鉱業系列の麻生上三緒炭坑をはじめ七炭坑で死亡した朝鮮人名簿に記
載された犠牲者は、実は、ごく一部に過ぎないことがわかってきた(2006.3.3,17日号本
誌で詳細を報告)」
先月、東京祐天寺に保管されていた遺骨が韓国へ引取られましたが、麻生財閥では遺
骨どころか、犠牲者の調査すらろくにおこなわれていないようです。この問題を沖縄チャ
ンプルーズの喜納昌吉・参議院議員が取り上げ、麻生首相に下記のような質問をしました。
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旧麻生鉱業の朝鮮人徴用に関する質問主意書
(喜納昌吉提出、参議院質問第51号、2008.10.10)
私喜納昌吉が、平成十七年十二月六日、沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、当時
の麻生太郎外務大臣に、「韓国政府は、徴用朝鮮人の遺骨の収集やその返還についての問
題を日本側と話し合っているが、戦時中などに多数の朝鮮人を徴用した旧麻生鉱業の関係
資料が提出されていないとして、同政府が資料の提出を平成十七年十一月二十八日に求め
た件に関し、韓国側が要求している旧麻生鉱業の資料を提出するかどうか」と質問したと
ころ、麻生大臣は「個別の企業に対し特定の資料の提出を要求されたことはないが、調査
してみたいと思っている」という主旨の答弁をした。
よって、内閣総理大臣となった麻生元外相に以下質問する。
一 その後、この件に関して旧麻生鉱業ないしその後身の企業は、資料に関する調査を実
施したか否か、理由と共に明らかにされたい。
二 調査をしていない場合、今後速やかに調査する意志があるか否か、明らかにされたい。
三 調査が行われた場合は、その内容を明らかにされたい。
四 麻生総理は日韓関係重視を口にしているが、ならばなおさらのこと、韓国政府が強い
関心を抱く旧麻生鉱業関連の資料について、総理として率先して事実関係を明らかにし、
それを速やかに韓国政府に伝えるべきではないか。見解を問う。
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この質問書に対し、麻生太郎首相は「民間企業等との関係もあり、個別の調査対象を
明らかにすることは差し控えてきている」として真実を明らかにしようとはしませんでし
た。麻生財閥の罪科が明るみに出されることを恐れたのでしょうか。
これでは遺骨は浮かばれません。生前は人間として扱われず生き地獄を味わった末、
屍すら行方知らず・・・もし、それが自分の父親だとしたら、考えるだけでもいたたまれ
ない気持ちです。
朝鮮人や被差別部落出身者などの膏血をすすって財を築いた麻生財閥、その御曹司な
ればこそ「ホテルのバーは安全で安い」と豪語できるのでしょう。そんなセレブが住む豪
邸はまさしく一見の価値がありそうです。
(注1)半月城通信<麻生太郎「創氏改名」発言の背景>
(半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/
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