半月城通信
No.112(2005.6.8)

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    目次

  1. 罪を憎んで人を憎まず?
  2. 竹島(鬱陵島)と幕府の『通航一覧』
  3. アサヒビールと靖国神社
  4. アサヒビールへの質問書(1)
  5. 靖国とアサヒビール問題、質問書(3)
  6. アサヒビールの対応予測
  7. 印鑰さんのご意見「Re:アサヒビールと靖国神社」
  8. 読者だより「中條高徳氏の詭弁と狂気」
  9. 読者だより「アサヒビールを買いません」

  10. 罪を憎んで人を憎まず? 2005.6.4 メーリングリスト[AML 1786]   半月城です。   小泉首相は靖国神社のA級戦犯に関連して「“罪を憎んで人を憎まず”は中国の孔子 の言葉だ」と語り、A級戦犯の合祀を擁護しましたが、“罪を憎んで人を憎まず”は本当 に孔子の言葉でしょうか?   どうも諸説あるようですが、本当はどうなのか、ご存知の方がおられましたら教えて ください。   まず、違うらしいとするのは中国文学者の一海知義氏で、こう記しました。  「私は五十数年来、専門の対象として中国古典を読んできたが、孔子がこんなことを 言っているとは知らなかったからである。少なくとも信頼できる文献には見当たらない」   一方、人民日報は下記のように、それは論語にはあるが、孔子の言葉でなく後世の偽 作であるとしているようです。        -------------------- <小泉首相の論語引用に人民日報「もっと勉強せよ」>   小泉首相が、靖国神社参拝に関連して、論語の「罪をにくんで、人をにくまず」とい う一節を引用したことに、人民日報が噛みついた。31日付で、「断片的に引用して、孔 子を曲解したものだ」などとする論説を発表した。   論説では、小泉首相が引用した部分は、後世の偽作であるとする研究者が多いことを 紹介。そもそも論語の一節として引用するならば、「孔子の言葉であると、評価が定まっ ている部分を使うべきだ」とした。        --------------------   同紙は「罪をにくんで」の部分は「小さな罪なら、これを赦(ゆる)す。老人や弱者 は受刑させない」という考えを反映したものとしているので、たとえその一節が論語に あったとしても、小泉首相が曲解していることは間違いないようです。論語読みの論語知 らずという諺もありますが、小泉さんは実は論語を読まず、単に自分に都合のいい単語を 拾っているだけかも知れません。   ましてや“罪を憎んで人を憎まず”は加害者が被害者に口が裂けてもいうべきセリフ ではありません。あまりにも身勝手な我田引水に中国が激昂するのは当然です。   朝日新聞が社説で「過ちて改めざる、これを過ちという」と書いていましたが、小泉 さん、チョンボを素直に認めるべきです。   A級戦犯である東条英機首相の指揮下、日本は中国で「奪いつくし、殺しつくし、焼 きつくす」三光作戦を繰りひろげたのですが(注1)、父母を殺された人や、あるいは強姦 された女性に面と向かって“罪を憎んで人を憎まず”と小泉さんは本当にいえるのでしょ うか? それが本当にできるのなら、小泉さんは鉄面皮に違いありません。 (注1)半月城通信<南京虐殺60周年(5),捕虜の処置> Re: 罪を憎んで人を憎まず? 2005.6.5 メーリングリスト[AML 1807]   半月城です。   小泉発言「罪を憎んで人を憎まず」に関して、多くの方からコメントをいただきあり がとうございました。ここのメーリングリストは奥が深いことを実感しています。   結局、ことわざ「罪を憎んで人を憎まず」は孔子の言ではなく、それに近い言葉が、 孔子の9代目にあたる孔鮒(こうふ)が残した「孔叢子(くぞうし)」にあるということ で納得しました(注1)。 >孔子曰く、可なるかな、古の訟を聴く者は、その意を悪み、その人を悪まず >(孔子が言われた、よいことであったなあ、昔の訴えを裁いた人は、その罪を >犯した心を憎んだが、犯人その人を憎まなかった) >@『孔叢子-刑論』」(注2)   小泉首相は、強引な靖国神社参拝の言い訳として「罪を憎んで人を憎まず」なる諺を もちだしたのでしょうが、それを孔子の言葉としたのは、孔子に対する冒涜といっても過 言ではないようです。   それにしても靖国神社に対する小泉首相の執念は何とすさまじいこと。その執念の前 には首相としての理性的な判断すらかすんでいるようです。それどころか、他国との約束 すらホゴにしているようです。   最近、小泉首相は靖国神社に関連して「どのような追悼の仕方がいいかは他の国が干 渉すべきでない(注3)」とのべましたが、4年前、韓国の金大中・元大統領に約束した ことなど今ではまるでなかったかのような素振りです。   そのとき、小泉首相は「誰もがわだかまりなく参拝できる新たな施設を検討する」と 約束しました(注4)。そのとき小泉首相は冷静だったのか、内政干渉などと強弁するよう なことはなかったようです。   その後、小泉首相は韓国との約束も果たさないまま、無為無策のうちに心情的な靖国 神社参拝を繰り返し、隣国の不信感をますますあおっているようです。今や小泉首相は、 右翼の中曽根・元首相にまで批判され、ネオコンや靖国関係者以外には四面楚歌のように みえます。それでも小泉首相は意地を張って靖国へいくのでしょうか。その場合、靖国だ けは「実行の小泉」が額面どおりになるのかも知れません。 (注1)朝日新聞<外交に礼儀と謙譲の心を>2005.5.30 (注2)historical amnesia<罪を悪んで人を悪まず> (注3)朝日新聞社説、2005.5.25 (注4)朝日新聞<金大中氏、北朝鮮の核実験「ない」 靖国の戦犯合祀批判>2005.5.24  (金大中氏は)日韓関係では、靖国問題について、「日本の(小泉)首相が01年、 『誰もがわだかまりなく参拝できる新たな施設を検討する』と約束した」と述べ、国立追 悼施設の建設へ向けた論議が棚上げになっている現状に不満を示した。 (半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/


    竹島(鬱陵島)と幕府の『通航一覧』 2005.6.5 Yahoo!掲示板「竹島」#9769   半月城です。   VIVA_VIVA_21さん、RE:9500 >つまり幕府は鬱稜島を自国領と見なし開発許可を与えたということです。   この考えは、結局はVIVA_VIVA_21さんの希望的観測ですか? 書き忘れていましたが、 「竹島渡海免許」発給以前に鬱陵島を日本領とみなす史料は存在しません。それを具体的 にみることにします。   幕府が「竹島(鬱陵島)渡海免許」を与えたのは、川上健三説では元和4(1618)年 とされますが、近年の研究では寛永2(1625)年とするのが有力なようです(注1)。いずれ にせよ、そのころ幕府は竹島(鬱陵島)を朝鮮領と認めていました。   史料ですが、幕府の外交文書を集めた記録『通航一覧』に竹島(鬱陵島)がこう記され ました。        -------------------- 『通航一覧』巻之百二十九  朝鮮國部百五  ○貿易(潜商罪科、耶蘇禁制告諭、商賣金高并銅渡方) 元和六庚申年、宗對馬守義成、命によりて、竹島(朝鮮國屬島)に於て潜商のもの二人を 捕へて京師に送る(その罪科いま所見なし)、・・・        --------------------   ここに書かれたように、元和6(1620)年、幕府は竹島(鬱陵島)を「朝鮮国属島」 と明確に認識していたことがはっきりしています。そうした認識のなかで「竹島渡海免 許」が発給されました。したがって、免許は日本国内の開発許可ではありえません。   それでは「竹島渡海免許」はいかなる性質を有するのでしょうか? すぐ思い当たる のが外国との交易許可ですが、竹島(鬱陵島)の場合、それは諸事情で許されません。   というのも、朝鮮との交易は対馬藩の専任であるので、米子の商人が朝鮮へ行くこと は許されません。しかも、朝鮮の窓口は東莱の倭館にかぎられ、それ以外の地に向かう船 は朝鮮から海賊と見なされました。   それにもかかわらず、幕府は「朝鮮属国」と認識している竹島(鬱陵島)へ渡海免許を 発行したのですが、その幕府の意図をどう理解すべきでしょうか?   幕府は、1620年に朝鮮通信使への配慮から、上に書いたように竹島(鬱陵島)へ渡海し ていた対馬藩の潜商を捕えましたが、この事件をきっかけに、幕府は同島へ食指を伸ばし はじめたようです。宝の島をあわよくば日本領にする意図もあってか、米子の商人に利権 を与えたとみられます。   その利権は、対馬藩の商人に与えるのは対朝鮮関係から不可能であるのはいうまでも ありません。それが米子の商人なら、バレた場合いくらでも言い訳が可能です。そうした 意図で朱印船とは違う幕府の奉書が鳥取藩を通じて米子の商人、大谷・村川両家にだされ たのではないかと思われます。   そうした事情を『隠州視聴合紀』の著者である出雲藩士・斉藤豊仙はどこまで知って いたのか不明ですが、竹島(鬱陵島)へ渡海する村川家の大船を、朱印がないのにもかかわ らず朱印船のごとく考えていたことから、やはり竹島(鬱陵島)を異国の地と理解していた のではないでしょうか。   その場合、日本の北西の限りである「此州」は隠州であり、竹島(鬱陵島)や松島(竹 島=独島)は幕府の認識どおり日本領に含まれないのはいうまでもありません。 (注1)池内敏「竹島一件の再検討」『名古屋大学文学部 研究論集、史学47』2001,P61 (半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/


    アサヒビールと靖国神社 2005.5.10 メーリングリスト[AML 1476]   半月城です。   ビールの宣伝ではありません。アサヒビールは名誉顧問・中條高徳の名前で靖国神社 に関して下記のように公言しました。  「国事行為たる戦争の犠牲者を祀る靖国神社に詣でる事をしない政治家に、国政に参加 する資格はない(注1)」   これでは公明党議員も議員の資格がないということになります。アサヒビールはこの 文章のために中国で不買運動の苦杯をなめているようです。ほろ苦さは格別な味がするこ とでしょう。   私は、スーパードライを見るたびに「つくる会」のことを思い起こしそうです。 (注1)<桜と花嫁人形と靖国神社>


    アサヒビールへの質問書(1) 2005.5.13 RE:メーリングリスト [AML 1496]   半月城です。   私も教えていただいたアサヒビール「お客様相談室」へ下記の質問をしてみました。 1.中條高徳氏は今でも貴社の顧問ですか? 2.「新しい歴史教科書をつくる会」に対し、中條発言の削除などの申し入れを行う予定   はありますか? 3.「新しい歴史教科書をつくる会」の刊行物などを定期購入するとか、資金援助してい ますか?   これに対する回答は下記のとおりです。 1.今でも顧問 2.個人の行動なので関知しない 3.定期購入も資金援助もしていない   アサヒビールは、印鑰さんへ「アサヒビールとしてそれなりに強く対処した」と回答 されたそうですが、何を強く対処したのかさっぱり伝わってきませんでした。   アサヒビールが、同社関係者の言動を「個人の行動なので関知しない」とするのは単 なる言い逃れです。   これは、たとえばアサヒビールの関係者が詐欺を働いた場合、同社は被害者に「個人 の行動なので関知しない」などと言うはずがありません。   中條氏はアサヒビールの関係者として行動しており、同社がそれを知りながら何の対 処もしないのは、その行動を会社として容認していることを意味します。   したがって、「個人の行動なので関知しない」というのは、中條氏の発言を容認して いることの隠れ蓑ではないでしょうか。このあたり、考えをさらに整理して追求するつも りです。 (半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/


    靖国とアサヒビール問題、質問書(3) 2005.6.1 メーリングリスト[AML 1764]   半月城です。   靖国神社問題でアサヒビールから回答があったのですが、あまり誠意がなく、私の質 問ははぐらかされたままでした。再度、下記のメールを送りましたので転載します。   なお、下記の半月城通信に「アサヒビールと靖国神社」欄をもうけました。 「アサヒビールと靖国神社」   そこにアサヒビールへメールを送られた方のメールのコピーを集めたいと思います。 ご協力いただけいる方はメールをいただければ幸いです。        -------------------- アサヒビールお客様相談室 小出慶一様   ご返事ありがとうございました、と言いたいところですが、ご返事には私の唯一の質 問に対する肝心の回答がまったくありません。その質問を再度記します。  <たとえば、もし貴社関係者が貴社の社名を用いて詐欺行為を働いた場合、貴社は被害 者に対し「個人的な言動であり、弊社は全く関知しない」とドライに割り切って、被害者 をつっぱねるつもりでしょうか?>   小出様が「お客様相談室」においてプライドをもった専任担当者なら「早速関係部署 へ連絡させて頂きました」などと他人事みたいなことはおっしゃらず、関係部署を動かし、 その道のプロとして質問にかみあったご回答をぜひお聞かせください。   さらに今回、小出様のご回答で疑問に思った点を質問に追加したいと思います。小出 様は「中條高徳の発言は、あくまでも中條の個人的な発言であり、弊社は関知しておりま せん」と書かれましたが、これは下記のご回答文と矛盾しているのではないでしょうか。   「今後、中條の個人的な活動において、アサヒビールとしての肩書きを使用すること がないように、厳重に申し渡し、本人も了解しております」   アサヒビールが中條高徳氏の「靖国発言」に本当に関知しないのなら、中條氏に何ら 申し入れをするはずはまったくないのに、なぜわざわざ申し入れをおこなったのでしょう か? その理由をお聞かせください。そこに今回の問題をとくカギがありそうです。   私の理解では、中條氏への申し入れは貴社が中国での不買運動に懲り、中條氏の言動 を「関知しない」と突っぱねることができないと判断したからこそ、貴社として精一杯の 苦渋の対応をとったのではないかと推測しています。   以上、二点の質問に対する真摯なご回答をお待ちします。なお、前回の質問はとりあ えず下記のホームページに「アサヒビール問題」欄をもうけて公開しましたのでお知らせ します。   半月城通信<アサヒビールと靖国神社> http://www.han.org/a/half-moon/mokuji.html#asahi_beer http://www2s.biglobe.ne.jp/~halfmoon/mokuji.html#asahi_beer 半月城


    アサヒビールの対応予測 2005.6.4 メーリングリスト[zainichi:28835]   半月城です。   Re:[zainichi:28831] >本人が変なのか、会社の内情が変なのか、よくわかりませんが、 >何だか、非常に変な話ですね。   いわれて見ると、たしかにアサヒビールも変だし、中條高徳氏も変だと思います。ま ず本人ですが、ふつうは会社と関係のない言動では、万一の場合でも会社に迷惑が及ばな いように会社名を伏せるものです。   先日、朝日新聞に「ドイツに学ぶべきこと」と題して「薬品会社ドイツ事務所顧問、 藤沢一夫」の名前で写真入りの投稿文が掲載されていましたが、会社名はありませんでし た。これが当たり前です。 >あまり政治色のないメディアへの投稿ならともかく、作る会関係のメディアに >会社名を出して投稿というのは、相当、政治的な意図が感じられますね。   これは「新しい歴史教科書をつくる会」への投稿という政治的意図もさることながら、 会社名をわざわざ載せたのは、本人の売名行為があるのかなと推測しています。   もし、会社名をださないとなると「食品会社顧問、中條高徳」という肩書きになるの でしょうが、その場合、記事は見向きもされないかも知れません。それを想定して中條氏 は会社への迷惑を顧みず、知名度の高い「アサヒビール」の名を使用したと思われます。 >不買運動で実際に会社が不利益を被ったのなら、減給や懲戒、解雇などの >何らかの処分を行うでしょう。   中條氏は名誉顧問の肩書きなので、おそらく給料はもらっていないでしょう。処分と して唯一考えられるのは、名誉顧問という肩書きの剥奪です。これは本人に相当な打撃に なります。何しろ名誉顧問が一転して「不名誉顧問」になりさがるのですから。   同時に、そのような人を名誉顧問に選んだ会社の基本方針がまちがっていたというこ とにもなるので、跳ね返りが会社にふりかかりかねません。そのため、アサヒビールは致 命的な打撃をこうむらないかぎり、そうした処分をおこなわないでしょう。処分の前に、 本人の「自発的」な名誉職返上を画策するのが日本的なやり方です。   会社の対応として現実的なのは、中條氏が投稿した記事から名誉顧問の肩書きをはず すよう求めることです。これは「つくる会」にはちょっとしたショックを与えることにな りそうです。それが可能かどうかは、ひとえにアサヒビールへの批判や非難がどれだけ盛 り上がるかによります。ここのメンバーの活躍にも期待したいと思います。 >会社が不利益を被っているのに、何も言わず、処分も行わないとしたら、 >最初から会社が関与した投稿だったと解釈できると思います。   その可能性は強いかもしれません。下記によるとアサヒビールは神道を格別重視して いる会社なので、右翼的な体質がしみついているのかも知れません。   Re:[zainichi:28775] >アサヒビールって、社内に神道の空間を広く取っていることで有名ですよね? >スーパードライで名を馳せてから、幾度となく紹介されてましたよね。 >別に驚くには値しないなって感想です。そんな体制ならそんなものでしょう。   なんとも異色な会社です。アサヒビールの神社にどんな神を祀っているのか興味があ ります。天照大神か、ひょっとすると神武天皇でしょうか。まさか韓国(からくに)に関 係したスサノオや八幡様はまつってないとは思いますが。   いろいろと風変わりな体質のアサヒビールが今後どのような対応をとるのかは、いう までもなく消費者の動向しだいです。アサヒビールは、これから冷たい飲み物の需要期を 迎えるので、消費者の動向には神経をとぎすましていることでしょう。そこがねらい目で す。 (半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/


    印鑰さんのご意見(1)「Re: アサヒビールと靖国神社」 2005.5.11 メーリングリスト[AML 1496] 半月城様、みなさま、 いつもいろいろ勉強させていただいて感謝しております。 ご指摘の件、やっぱりひどい、と思って、アサヒビールの Web サイトのお客様 相談室のページから強い調子で私見を送ってみました。そうすると数時間もしな いうちに、相談室の人から返事が返ってきました。 <アサヒビールへのご質問・ご意見> > アサヒビールグループの許可なくこのメールの一部または全体を転用することは、 > 著作権法上認められておりません。 ということで、とりあえずその返事はここでは引用しませんが、アサヒビールと してそれなりに強く対処した、と書かれていました。これが本当かどうか、わか りません。 しかし、日本の市民の中にも中條高徳の発言には怒りを感じているものが少なく ないということをアサヒビールにしっかり知っておいてもらう必要はあると思い ます。 このメーリングリストに参加されている方も、メッセージを送るのには数分しか かからないので、ご意見を送られてはいかがでしょうか? 上記 URL あるいは <お客様相談室> からメールが送れるはずです。 個人的にはスーパードライを見る機会もほとんどなくなってしまいましたが.... 印鑰 智哉 印鑰さんのご意見(2)「Re: アサヒビールと靖国神社」 2005.5.14 メーリングリスト[AML 1539] 半月城さま、   (前半省略)   Re:[AML 1534] >   アサヒビールは、印鑰さんへ「アサヒビールとしてそれなりに強く対処した」と > 回答されたそうですが、何を強く対処したのかさっぱり伝わってきませんでした。 >   アサヒビールが、同社関係者の言動を「個人の行動なので関知しない」とするの > は単なる言い逃れです。 こりゃ、ご指摘のように明らかに言い逃れですね。 この件に関して中條に今後このようなことをしないように厳重に申し渡した。本 人も了解している、という内容の返答だったのですが、どれだけ厳重に申し渡し たのかもこれではわからないし、申し渡したとしても、顧問辞めさせなければま ずい、とアサヒビールが判断していないのは明らかで、それを評価しようという ものではありません。 >   これは、たとえばアサヒビールの関係者が詐欺を働いた場合、同社は被害者に > 「個人の行動なので関知しない」などと言うはずがありません。 > >   中條氏はアサヒビールの関係者として行動しており、同社がそれを知りながら何 > の対処もしないのは、その行動を会社として容認していることを意味します。 >   したがって、「個人の行動なので関知しない」というのは、中條氏の発言を容認 > していることの隠れ蓑ではないでしょうか。このあたり、考えをさらに整理して追求 > するつもりです。 そうですね、こうした対処の積み重ねが戦後処理をあいまいにする日本の体制を 許してきたのでしょう。 反日デモのマスコミの扱いもそうだけど、ここはやはりこういうことに荷担して いる企業に1つ1つ、具体的につついていく必要があると思います。 市民が声を出しても、その企業が独占企業であれば、企業に影響を与えることは 難しくなってきますし、そんな独占企業を作らせない、という政府の政策がなけ れば影響を与えられる企業の範囲は限られてしまう。日本株式会社の企業は相互 に支え合っているから、企業に意見を出せば事態が変わるというものではないか もしれません。 最近 CSR (企業の社会的責任)とか SRI (社会的責任投資) という言葉が流 行しています。海外だと、企業を追及する NGO がそうした活動をやってきてい るけど、日本では残念ながら、この言葉は日本企業の広報部の専門用語になりつ つあるように思えます。今後も、あたかも社会的責任を果たしている、あるいは 環境に貢献している姿勢を気取る企業が増えてくると思います。 しかし、その「責任」の内実を検証すれば、最大の人権侵害であるかつての戦争 を支えた思想を温存していることが半月城さんのご指摘のようにあるわけで、そ の視点から、彼らの言う社会的責任が何であるのか、白日の下に明らかにしてい くこと、あるいは、本当の取るべき社会的責任の方向に向かわせることは有効な 方法だと思います。 とりあえずは Web フォームから意見を送ることなどはすぐにできることとして、 日本社会の中でも特に日本人の中から具体的動きが出てくることを期待して、筆 を置きます。 印鑰 智哉


    黄 圭(カナダ在住)様からアサヒビールへのメール 「中條高徳氏の詭弁と狂気」 2005.5.21 <引用元> リレー随想 「桜と花嫁人形と靖国神社」 アサヒビール名誉顧問 中條高徳 平成16年7月号(通巻45号)より  先日私は、貴社名誉顧問をつとめられる中條氏の投稿を読みました。私はこれに全く 驚きを禁じ得ませんでした。  世界の人びとが平和を希求するという価値観を共有する現代にあって、日本を代表す るような大企業の経営に影響力をもつ立場にある人が、この時代に相容れない言動す ることが許されるのだろうかと。もとより、現代社会における企業に重大な社会的責任 を負わされていることは云うに及びません。  私はあの侵略戦争を肯定する人というのは、すなわち刑法犯のような反社会的行為を 是認していることと同じではないかと考えています。 「大和民族は天孫降臨の民ゆえ世界に臨し・・」という殆ど狂気に満ちた「国史」(現 代の価値観から)を学校で子供たちに教えファッショ的強権で言論を抑圧し、国際法 を踏み躙りながら遂行されてきたのがあの戦争でした。 「吾々の年代の若者は祖国の危急を救おうと志願してゾルダーテン(兵隊)の途を選 び、その多くが斃れていった。みな靖国神社の桜の下で再会しようと誓い合ったもの だ。」  当時の若者たちの心情が仮にそうであったとしても、それは誤った天皇制全体主義下 における教育と徴兵制のもとでのことです。彼らは自分の自由な意思を僅かでも口に することすら許されない状況下で一方的に侵略戦争に駆り出されて殺されていったのです。 そのような恐ろしい時代を振り返るときに、許されざる侵略戦争を「国事」として正当化 していいのでしょうか?  日本は国も社会も、全体としてあの侵略戦争をまづ否定することこそが今世界か ら求められているのです。 「国事行為たる戦争の犠牲者を祀る靖国神社に詣でる事をしない政治家に、国政に 参加する資格はない。」 これこそが狂気です。  「いずれの近代国家も、その国に命を捧げる行為を最も尊い価値としてきた」という 論議の本質が、その前の「戦争は人類に最大の不幸を招く。あってならない残酷なも のである」と一見戦争を否定するような言い方が詭弁である事を自ら示していると思い ます。  詰まるところは妙な戦争ロマンを掻き立てることで侵略戦争を美化しようとしていま す。  そして彼の投稿は、あの戦争を否定するかのような麗句を並べながら、何の正統性も ない野蛮なアジア侵略を是とする主張そのものとなっています。  そして、あの戦争によって日本将兵や市民の犠牲のみならず、アジアにおいてその実に 十倍にも及ぶ膨大な数の人びとが無残に命を奪われたという事実に目をそらしている のですが、それは「侵略肯定」の人からは当然なのでしょう。  企業倫理の観点からアサヒビールとして彼の投稿をどのようにお考えなのか、ご返信 をお待ちしております。      黄 圭(カナダ在住) 半月城から 黄 圭様へのメール   半月城です。  黄 圭@カナダさん、さっそくのアサヒビールに対する行動を頼もしく思っています。 回答がきたらその紹介をお願いします。中條高徳氏は、下記のHPでプロフィールをみる と、陸軍士官学校時代に敗戦を迎えたようです。また、著書でもアサヒビール名誉顧問を 名乗っているようです。 <中條高徳 プロフィール> 靖国神社にこだわる原点は軍国少年にあるのでしょうか。あるいは軍人一家だったのかも しれません。


    読者だより「アサヒビールを買いません」 2005.6.3   はじめまして、わたくしは在日の***というものです。半月城さんのおかげでアサ ヒビールの件を知ることができ感謝しています。   さっそく我が家ではせめてアサヒを買わないようにしました。これからもがんばって ください。 一読者より 半月城より***さんへ   ***さん、励ましのメールをありがとうございました。   アサヒビールおよび「つくる会」にわずかでも痛手になるよう、半月城通信に「アサ ヒビールと靖国神社」欄をもうけました。 <「アサヒビールと靖国神社」>   そこに***さんのメールも転載しました。ご許可ありがとうございました。



    半月城へのメール

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