竹島=独島問題ネットニュース 40

2017.1.24

竹島=独島問題研究ネット

http://www.kr-jp.net

 

記事一覧

1.【論説】朴炳渉「サンフランシスコ講和条約後の日本の竹島=独島政策」

2.【論説】塚本孝「竹島領有権をめぐる韓国政府の主張について」

3.【論説】俵義文「高校歴史教科書の2015年度検定について」

4.【論説】ペドロゾ「国際法と日本領土の問題」

5.【原書紹介】福山潤三「愼纛ほか『韓日両国の独島政策とその比較』」

6.【セミナ】「我らが独島、我らが竹島 日韓の領土問題認識を撃つ」

7.【集会】第13回「竹島の日」を考え直す集い

8.【集会】第12回「竹島の日」を考え直す集い

9.集会】第12回「竹島の日」記念式典、竹島・北方領土返還要求運動県民大会

10.【教育】濱純平「竹島領土問題学習を進めるポイント」

 

記事詳細

1.【論説】朴炳渉「サンフランシスコ講和条約後の日本の竹島=独島政策」

       『北東アジア文化研究』第42号、2016

 竹島=独島はSCAPIN-677および関連地図によって日本国の定義から除かれて南朝鮮に組み入れられた。日本政府はそうした法的地位は講和条約によって変化がないと判断したのか、従来の政策を継続した。しかし、外務省条約局は条約調印の直前になって突如、竹島=独島は日本領であると新聞発表した。しかし、根拠は薄弱であり、島根県へ根拠となる物的証拠の探索を依頼したほどであった。同時にみずから物的証拠作りに乗りだし、竹島=独島を米軍の爆撃演習場に指定した。これが米軍機の第2次独島誤爆事件を引き起こし、韓国の抗議によって指定は取り消された。取消後、島根丸が竹島=独島での韓国漁民の操業を確認するや、外務省は「竹島問題対策要綱」を決定し、竹島=独島の制圧に乗りだした。

 http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-1612-policy.pdf

 

 

2.【論説】塚本孝「竹島領有権をめぐる韓国政府の主張について」

『東海法学』第52号、2016

本稿は、韓国外交部発行の広報資料『韓国の美しい島、独島』に即して韓国政府がどのような主張を展開しているかを確認するとともに、事実関係及び国際法に照らしてそのような主張に根拠があるか否かを検証するものである。

韓国政府の主張には、各節について述べたように、この詳論で概観しただけでも、事実に反している、国際法上領有権の根拠とするに足る証拠の提示がないなど疑問な点が多々見受けられる。

http://www.pref.shimane.lg.jp/admin/pref/takeshima/web-takeshima/takeshima04/takeshima04-1/index.data/SKM_C30816111413190.pdf

 

【コメント】塚本はどのような批判や反論があっても、それを認めたくない時には「仮に」を常用するようである。

元禄竹島渡海禁止令「仮に幕府が松島(今日の竹島)について因伯両国付属でないとの情報に接した上で「竹島(欝陵島)」への渡海を禁止したとしても、そのことは、松島を朝鮮に対して同国領と認めたとか朝鮮に対して放棄したということにはならない」

1877年、太政官の竹島外一島を日本の版図外とする指令「仮に(外一島=松島)が今日の竹島を指していたとしても対外的に表明されたことではなく、国内で広く布告したものでもない」

1900年、大韓帝国勅令41号「仮に石島が竹島(韓国のいう独島)であったとしても、法令で欝島郡の区域として規定しただけで韓国の領土になる訳ではない」

 

 

3.【論説】俵義文「高校歴史教科書の2015年度検定について」

        『戦争責任研究』87号、2016

文部科学省は2016318日、2017年度から使用する高校教科書の15年度検定の結果を公開した。同省の「学習指導要領解説」は、竹島(独島)は日本固有の領土であるが、韓国が不法占拠しており、韓国に対し繰り返し抗議しているなどと述べている。教科書検定はすべてこの「解説」の記述に従って行われた。今回の検定では、とくに竹島(独島)については、日本政府が国際司法裁判所への付託を提案したが韓国は拒否し続けていることも記述させた。領土問題についての検定は現代社会、政治・経済、地理、日本史の大部分の教科書に対して行われており、その結果、どの教科書もほとんど同じような記述になっている。

(PW必要) http://www.kr-jp.net/member/media/z-2016/tawara-1612high.pdf

 

 

4.【論説】ペドロゾ「国際法と日本領土の問題」

『島嶼研究ジャーナル』61号、2016.10

日韓両国が提示している各種文書や、ICJに付託された領土問題でICJが下した裁定の基準に鑑みると、竹島の領有権をめぐる問題は、日本に分がありそうに思われる。

米国は、戦後一貫して「竹島は日本固有の領土である」との見解を示してきたが、朝鮮戦争が休戦となった1953年以降は中立の立場に転じている。

米国が日韓両国に対して条約履行義務を負っていること、また、東シナ海と南シナ海への海洋進出を強める中国に対して日米韓で対抗しようという米国の努力が、領土問題をめぐる日韓の対立によって台無しになる事態を懸念していることを考え合わせれば、こうした米国の立場は理解できる。

(PW必要) http://www.kr-jp.net/member/media/z-2016/pedrozo-1610.pdf

 

【コメント】終戦直後、米国はSCAPIN-677や関連地図に見られるように竹島=独島を朝鮮所属と規定したり、対日講和条約の初期草案にて竹島=独島を韓国領と規定したのであり、筆者は大きな誤解をしている。また、論説は講和条約などで最終決定がされるまで有効なはずのSCAPIN-677には言及がない。また、講和条約が竹島=独島にまったくふれなかったことに対し、筆者自身は何らの見解を示していないなど疑問が多い。

 

 

5.【原書紹介】福山潤三「愼纛ほか『韓日両国の独島政策とその比較』」

 『アジア情報室通報』第14 巻第3 号(2016 9 月)国会図書館、11-12

 本書は、韓国で竹島(韓国名「独島」)が所属するとされる慶尚北道の独島研究機関統合協議体が刊行する研究叢書の一冊である。日韓両国の中央・地方政府における竹島関係政策の現況と動向に焦点を絞っており、近年韓国で刊行された竹島関係の資料のなかでは、比較的珍しい存在である。独立した6論文からなり、全体を通じたまとめや要約はない。以下、各論文の内容を紹介する。

1 論文「韓日間独島領有権を取り巻く主要 争点」(愼纛 ソウル大学校名誉教授)、第 2 論文「日本の独島政策と韓日関係の亀裂 ―2012 年李明博大統領の独島訪問を中心に」(李盛煥 啓明大学校国境研究所長)、第 3 論文「日本島根県独島政策の動向と方向」 (宋彙榮 嶺南大学校独島研究所研究教授)、第 4 論文「韓国政府の独島政策の現況と課題」 (崔長根 大邱大学校独島領土学研究所長)、第 5 論文「慶尚北道独島政策の現況と課題」 (ユ・ハヨン 東北亜歴史財団研究委員)、第 6 論文「我が国独島教育政策の現況と課題」 (キム・ホドン(嶺南大学校独島研究所研究教 授))。

5および第6論文は、類書では得難い体系的な情報である。

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10201073_po_bulletin14_3.pdf?contentNo=1&alternativeNo=

 

 

6.【セミナ】「我らが独島、我らが竹島 日韓の領土問題認識を撃つ」

日時:2016930日(金)

場所・主催:北海道大学・UBRJ/NIHUセミナー

講師:アレクサンダー・ブフ(ウェリントン大学)

セミナーでは竹島/独島問題についての日韓の自称「市民活動家」 についての記録映像を素材として、日本・韓国両国での領土問題の位置づけや「市民」による「返還運動」のあり方の共通点と相違点などについてブフ氏と岩下明裕UBRJユニットリーダーが激論を展開しました。フロアからも盛んに(時として、苛辣な)質問が寄せられ、議論は白熱しました。登壇した両名からは、竹島/独島問題が解決をみない現実とはいったい何を意味するのかという点について、北方領土問題や尖閣問題との比較の中で、丁寧な説明がなされました。

http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/ubrj/whats-new/archives/201610/03311.html

 

7.【集会】第13回「竹島の日」を考え直す集い

日時:2017218日(土) 14:0017:00

会場:大阪市PLP会館、4階 中会議室

http://plp-kaikan.net/access/a_index.html

主催:「竹島の日」を考え直す会(tel 0792-949-1521)

テーマ:領土ナショナリズムを煽る「竹島の日」の誤りを糺す

講演:@島根県の「竹島の日」制定の理由と主張を糺す

      黒田伊彦(元大阪松蔭女子大学教員)

    A続、外務省見解に基づく領土教育批判と尖閣=釣魚諸島問題

      久保井規夫(理事長、元桃山学院大学教員)

詳細は、「独島=竹島ニュース」No.138頁参照

http://www.kr-jp.net/ronbun/kuboi/dtnews-13.pdf

 

 

8.【集会】第12回「竹島の日」を考え直す集い

日時:2016 10 8日(土) 14:0017:00

会場:大阪市住まい情報センター、3階ホール

主催:「竹島の日」を考え直す会(tel 0792-949-1521)

テーマ:“固有領土”主張を批判する

講演:@「『隠州視聴合紀』と竹島・独島の日本固有領土論をめぐって

      黒田伊彦(元大阪松蔭女子大学教員)

    A「“大韓帝国勅令41号”の“石島”は独島=竹島である」

      朴 炳渉(竹島=独島問題研究ネット 代表)

    B「外務省見解に基づく領土教育批判と尖閣=釣魚台諸島問題」

      久保井規夫(理事長、元桃山学院大学教員)

集会の概略は、「独島=竹島ニュース」No.13参照

 http://www.kr-jp.net/ronbun/kuboi/dtnews-13.pdf

 

 

9 .【集会】第12回「竹島の日」記念式典、竹島・北方領土返還要求運動県民大会

(1) 日時 平成29 2 22 日(水)13:3015:50

(2) 場所 島根県民会館 中ホール

(3) 主催 島根県、島根県議会、竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議

(4) 参加予定者 500 人(来賓・主催者等400 人、一般募集100 人)

(5) 決意表明 竹島領土権確立隠岐期成同盟会代表

(6) 講演会、講師(予定)

・原田環 (県立広島大学名誉教授)

・下條正男 (拓殖大学国際学部教授)

http://www3.pref.shimane.jp/houdou/press.asp?pub_year=2017&pub_month=1&pub_day=11&press_cd=5478EC63-6574-41BC-AB08-540F8AD2218E

 

 

10.【教育】濱純平「竹島領土問題学習を進めるポイント」『内外教育』2016.10.14

 島根県では県下のすべての公立学校に竹島学習用の副教材DVDを配布し、主に地理的分野の学習の中で活用している。その中で歴史的事実を学んだ生徒たちからは、まず初めに「韓国はずるい」「韓国は嫌い」という声が上がりがちである。しかし、相手に反発する感情の中からは平和的な解決は生まれてこない。 では、この過程を乗り越えるにはどうすればよいのか。そこで重要になるのが、問題を客観的にとらえる視点をもつことである。

(PW必要) http://www.kr-jp.net/member/media/z-2016/hama-1610.pdf

 

【コメント】筆者である隠岐の島町 西郷中学校教師は「江戸時代から日本人による竹島の経営が行われ領有権を確立させていた」と記し、外務省見解に問題があることを疑わない。

 

○ 竹島=独島問題ネットニュースのバックナンバーは下記で見られます。

 (半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/mokuji.html#net_news