竹島=独島問題ネットニュース 27号
2011.8.26
竹島=独島問題研究ネット発行
 
 記事一覧

1.【報道】深まる日の領土問題

2.【TVKBS番組「独島は朝鮮の領土」

3.【書籍】保阪康『歴史でたどる領土問題の真実』朝日新書

4.【研究】第5 竹島/独島研究会(第27回日韓・日朝交流史研究会)

5.【報告】東アジア近代史学会「竹島=独島漁業と領有権問題」

6.【論文】池敏「竹島/独島論争とは何か」『歴史評論』2011.5月号

7.【論文池内敏「竹島/独島と石島の比定問・ノート」HERSETEC4(2)

8.【論文竹内猛「「竹島外一島」解釈をめぐる問題について」『郷土石見』

9.【論説下條正男「竹島はなぜ奪われ続けるのか」『海外事情』2011.4

10.【論】塚本孝「韓国の保・併合と韓の領土認識」『東アジア近代史』

11.【講演】塚本「サンフランシスコ平和条約と領土問題」、島根県

12.【講座】学生の日韓歴史教科書問題門講座立命館大学

  

記事詳細

 

1.【報道】深まる日韓の領土問題

  ウォール・ストリート・ジャーナル、2011.8.4

 日本の野党議員団が、竹島行きのフェリーが発着する鬱陵島を訪問することが明らかになり、韓国では市民の反対運動が強まった。だが、韓国側の過熱した対応とは対照的に日本側はさめている。同国では為替市場の円高や放射性物質による食物汚染、災害復興の方が重要な問題だ・・・

 しかし今回の問題については、韓国側にも、領土問題にほとんど影響力を持たない野党・自民党の少人数の政治家の訪問であるにもかかわらず、韓国政府が騒ぎすぎだという声もある・・・韓国の愛国的な新聞は3日、韓国政府の対応が、茶番に終わっていたかもしれないこの訪問を大ごとにしてしまったとの見解を示した。

http://jp.wsj.com/World/Europe/node_284739

 

 

2.【TV】KBS番組「独島は朝鮮の領土」

  ―安龍福事件から勅令41号まで―(日本語字幕)

  KBS歴史スペシャル(スカパー 791ch)、2011.6.2 放送

 番組に登場した日本人は、俵義文、下條正男、池内敏、内藤正中、杉本良巳の5人。番組は中学教科書検定結果を受け、竹島問題に関する韓国の従来の見解を紹介。

 

 

3.【書籍】保阪正康『歴史でたどる領土問題の真実』朝日新書

 私は、竹島は日本領であるという事実をまったく別な視点から考えたいのだ・・・〈日本が竹島を島根県に編入したのは日露戦争下であった。軍事主導体制国家としてみれば、地図でもわかるようにこの海域にロシアを牽制する“基地”は確かに必要である。そのような視点で領土拡張を図った。その折りに竹島が実質的に韓国の支配が及んでいないこともあり、大きなエアポケットになっていた。それだけに先有の権利を日本がもっていたことになり、それが歴史上では実質的に日本の領土とされてきたのではないか〉

 

【コメント】日露戦争中、日本は軍略上の理由から竹島=独島を日本領へ編入したと論証されてきましたが、著者はその見解を受け継いだようです。しかし、1900年大韓帝国勅令41号に記載された石島を無視して「韓国の支配が及んでいない」というのは早計です。また、1877年の竹島・松島を日本の版図外とした太政官指令にも言及がありません。

 

 

4.【研究会】第5 竹島/独島研究会(第27回日韓・日朝交流史研究会)

  学術としての竹島/独島研究の定立のために

  ―‘低国境’時代の日韓関係における竹島/独島の含意―

日時: 2011716 (土)

場所:広島大学総合科学部第1会議室(広島県東広島市西条)

主催:島根県立大学NEARセンター、啓明大学校国境研究所

後援:日韓・日朝交流史研究会、韓国東北亜歴史財団

研究発表

 ・福原裕二(島根県立大学):「竹島/独島の‘価値’に関する一試論」

 ・玄大松(国民大学校日本学研究所):「韓国と日本の独島/竹島研究の現況」

 ・李盛煥(啓明大学校):「韓国人の独島認識」

 ・佐藤壮(島根県立大学):「制度としての国境と領有権争い」

 ・森須和男(NEARセンター市民研究員):「韓国鬱陵島のスルメと隠岐島」

 ・朴炳渉(啓明大学校):「韓末期の竹島=独島漁業と石島」、下記参照

(日本語)http://www.kr-jp.net/ronbun/park/parkBS-1107j.pdf

(韓国語)http://www.kr-jp.net/ronbun/park/parkBS-1107k.pdf

 

 

5.【報告】東アジア近代史学会「竹島=独島漁業と領有権問題」

.日 時:2011910日(土)14:3018:10

.場 所:専修大学神田校舎7号館7階774教室

3.月例研究会(14301600

 題 名;竹島=独島漁業と領有権問題

 報告者;朴炳渉氏(竹島=独島問題研究ネット)

4;インドシナ戦争史研究会(16101810

 題 名;レンズを通してみたベトナム(戦争)46年

 講 師:石川文洋氏

*月例研究会には会員・非会員にかかわらず、どなた様もご出席いただけます。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jameah/geturei.htm

 

 

6.【論文】池内敏「竹島/独島論争とは何か」『歴史評論』2011.5月号

 竹島/独島が日本領でなかったことは、19051月に「日本領に編入」したこと自体が明らかにしている。事実がこのようであったにもかかわらず、「我が国の固有の領土」だとする一方的な主張を声高にすることや、一方的な主張を教育現場に持ち込むことは妥当ではない。

PW必要)http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/ikeuchi/ike-1105.pdf

 

 

7.【論文】池内敏「竹島/独島と石島の比定問題・ノート」『HERSETEC4(2)

 欧米で作製された地図では、竹島/独島を岩つまり「石のようだ」と表現しているのである。ただし、これが大韓帝国勅令41号における「石島」の根拠となる場合には、国家的な領有意思の表明としてはいささか唐突で、薄弱な根拠とならざるを得ない。Liancourt Rocksが、大韓帝国勅令41号以前の朝鮮王朝や大韓帝国で作製された朝鮮図に書き込まれたことは一度も無いからである。

PW必要)http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/ikeuchi/ike-1000.pdf

 

【コメント】石島の根拠に関しては下記の報告を参照してください。

  朴炳渉「韓末期の竹島=独島漁業と石島」

http://www.kr-jp.net/ronbun/park/parkBS-1107j.pdf

 

 

8.【論文】竹内猛「「竹島外一島」の解釈をめぐる問題について」

    『郷土石見』87

  ―竹島問題研究会中間報告書「杉原レポート」批判―

 杉原氏の主張には次の二つの問題があると考える。第一の問題点は・・・明治9年の島根県の上申書について、この史料に即した氏自身の解釈を提示していないことである・・・第二の問題点は・・・杉原氏のこのような史料の扱い方や論じ方は、歴史学の基本を逸脱した不適切なものといわざるを得ないと考える。

http://www.kr-jp.net/ronbun/msc_ron/takeuchi-1108.pdf

【コメント】著者は昨年『竹島=独島問題 「固有の領土」論の歴史的検討』を島根県松江市の報光社から自費出版された研究者です。

 

 

9.【論説】下條正男「竹島はなぜ奪われ続けるのか」『海外事情』2011.4

 問題は1877年、明治政府が島根県から竹島と松島を島根県に編入するのか判断を求められ、それを太政官指令によって「竹島外一島の儀、本邦関係これ無し」として、日本領とは関係がないとしたことにはじまる。この時、島根県では江戸時代の呼称に従い欝陵島を磯竹島(竹島)とし、竹島を松島とした。

PW必要)http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/shimojou/shimo-1104.pdf

 

【コメント】著者は「外一島」の解釈をまたまた変えました。「外一島」を2004年には不明、2006年には竹島=独島、20073月には島根県が竹島=独島で太政官が欝陵島、同年9月には島根県も太政官も欝陵島、そして今回は島根県が竹島=独島で太政官が欝陵島と変えました。実に4回も見解がぶれました。変説の詳細は、朴炳渉「下條正男の論説を分析する」1&2 『独島研究』4&7

(日本語1http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park200806.pdf

(日本語2http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-0912j.pdf

(韓国語1http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park200806kor.pdf

(韓国語2http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-0912k.pdf

 

 

10.【論文】塚本孝「韓国の保護・併合と日韓の領土認識」

  『東アジア近代史』14

【コメント】著者は「外一島」が竹島=独島とは断言できないと主張したが、1996年には「松島(今日の竹島)もまた本邦無関係とされることになった」と記しており、ブレが見られます。これは石島についても同様であり、2000年には「独島(法令上の文言は石島)を管轄するとの内容の勅令を制定公布した」と記したが、今回は石島の比定を避けています。

(PW必要)http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/tsukamoto/tsuka-1103.pdf

 

 

11.【講演】塚本孝「サンフランシスコ平和条約と領土問題」、島根県

  平成23年度 第1回 竹島問題を考える講座

日時:平成23911()午後1時〜午後3

場所:島根県職員会館2F 多目的ホール(松江市内中原町52

主催:島根県総務部総務課(申込み必要)

http://www.pref.shimane.lg.jp/soumu/web-takeshima/index.data/230911takeshima1.pdf

 

 

12.【講座】学生のための日韓歴史教科書問題入門講座、立命館大学

日時:2011624日(金) PM 600

場所:立命館大学衣笠キャンパス 恒心館730

講演1:「韓国はなぜ独島(竹島)にこだわるのか」河綜文さん(韓神大学校)

講演2:「日本の植民地支配と歴史教科書叙述」山口公一さん(追手門学院大学)

主催: 立命館大学「平和セミナー・韓国プログラム」

    アジアの平和と歴史教育連帯

    子どもと教科書京都ネット21

 

 

 

過去に配信したニュースは「半月城通信」の下記サイトで見られます。

http://www.han.org/a/half-moon/mokuji.html#net_news

 

以上