竹島=独島問題ネットニュース 25号

                        2010.12.26                   竹島=独島問題研究ネット発行

 記事一覧 1.新刊書、俵義文他『竹島/独島問題の平和的解決をめざして』つなん出版 2.竹島の自費出版本を県教委に寄贈 3.自費出版、竹内猛『竹島=独島問題 「固有の領土」論の歴史的検討』 4.「竹島」早期解決願い 隠岐の島町民集会 5.竹島/独島問題を考える大阪集会 6.「独島は韓国の領土」日本の市民団体が声明 7.日韓併合100年:金鍾泌元首相インタビュー 8.防衛白書、中国軍の行動を懸念 竹島の記述は例年通り 9.初めて領土標識を立てた「独島学術調査隊」 10.ノート、朴炳渉「『坂の上の雲』と日露海戦、竹島=独島」 11.歴史科学協議会、第44回大会 12.論説、朴炳渉「明治時代の欝陵島漁業と竹島=独島問題(2)」  記事詳細 1.新刊書、俵義文他『竹島/独島問題の平和的解決をめざして』つなん出版     定価630円、A5, 81頁、Tel 047-337-5238  竹島/独島問題を平和的に解決するためには、市民社会での冷静な対話こそが必要だと 思います。日本の「子どもと教科書全国ネット21」と韓国の「アジアの平和と歴史教育連 帯」は、こうした思いから日韓共同による、研究者・市民によるシンポジウムを2009年2 月21日に開催しました。本書はそこでの発表文や討論について、発表者・討論者が修正・ 補完したものを再構成したものです。 http://www.ne.jp/asahi/tawara/goma/2010.10.8/2.html 2.竹島の自費出版本を県教委に寄贈   山陰中央新報、2010.10.23  日韓両国で見解が異なる竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島)問題への理解を深め てもらおうと、杉原隆・県竹島問題研究顧問(72)が22日、自費出版した「山陰地方 の歴史が語る『竹島問題』」を県内の全中学校、高校に贈った。 3.自費出版、竹内猛『竹島=独島問題 「固有の領土」論の歴史的検討』    「前編・江戸時代から明治時代まで」、B5, 179頁、印刷・製本 報光社  第1章 朝鮮王朝と「于山島」「三峯島」、第2章 江戸時代の日朝関係とウルルン島= 「竹島」、第3章 「竹島」渡海免許状をめぐる諸問題、第4章 「竹島一件」をめぐる日 朝交渉、第5章 明治維新期の「竹島/松島」をめぐる問題、第6章 竹島領有の閣議決定 と公示をめぐる問題、第7章 日韓関係の歴史の中に位置付けて考える 4.「竹島」早期解決願い 隠岐の島町民集会    読売新聞島根版、2010.10.24  竹島問題の早期解決を目指す「竹島領有権確立運動隠岐の島町集会」が23日、隠岐の 島町総合体育館(西町)で開かれ、町民ら約1200人が韓国が実効支配を続ける現状 に、「竹島は日本固有の領土」との意識を新たにした。・・・  2月22日を「竹島の日」と定めた県条例制定5周年に合わせ、町が初めて主催。松田 和久町長が「日本の主権にかかわる重大問題で、さらなる世論の盛り上がりと外交による 進展を願う」とあいさつ。地元の中学生や漁業関係者らが意見を発表、下條正男・拓殖大 国際学部教授の講演もあった。 5.竹島/独島問題を考える大阪集会   日時:2010年12月4日(土) 開場13:10 開会14:00   場所:エルおおさか 視聴覚室(5階)   講演:池内 敏さん(名古屋大学)「竹島/独島問題の終焉」   報告:小・中学校教科書に竹島/独島はどのように書かれているか?       今度の「つくる会」系教科書は、どんな教科書か?   主催:子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会 6.「独島は韓国の領土」日本の市民団体が声明 東亜日報、2010.8.28  「慰安婦問題解決オール連帯ネットワーク」など37の日本の市民団体と80の韓国の 市民団体で構成された「強制併合100年共同行動韓日実行委員会」が29日、「独島 (トクト・竹島)は韓国の領土」という趣旨の内容を盛り込んだ韓日共同市民宣言を発表 する。戦後補償問題ではなく独島領有権問題で日本の市民団体が連携して公式見解を表明 するのは初めて。  委員会は宣言のなかで、「独島は日露戦争に便乗して日本に強制的に編入されたもの で、明らかに植民支配の一環として起きた歴史問題だ。独島について『領土問題』として 教科書に記述することを止めよ」と日本政府に求める計画だ。 http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2010082842558 7.日韓併合100年:金鍾泌元首相インタビュー     朝鮮日報、2010.9.28  -1962年の大平正芳外相との交渉で、「独島爆破論」を口にしたという話もあるが。  「大平首相(大平正芳は当時外相だが、後に首相に就任)とすべての合意を終えて、も う1杯コーヒーを飲みながら話をしていた時、大平首相が“(独島問題を)国際司法裁判 所に提起するつもりだ”と話した。そこでわたしは、カッとなった。“ここを、あなた方 の土地だと言い張り、国際司法裁判所で日本のものだという判決が出ても、すべてを爆破 してなくしてしまってでも、あなたたちの手に渡すつもりはない”と言った。そこから爆 破の話が出た」 8.防衛白書、中国軍の行動を懸念 竹島の記述は例年通り    朝日新聞、2010.9.10  竹島を巡っては「わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解 決のまま存在している」との従来の記述を引き継いだ。白書は当初7月末の発表を予定し ていたが、韓国併合条約発効100年にあたる8月29日を前に韓国の反日感情を刺激す ることを懸念した首相官邸が、公表の先送りを指示していた。 9.初めて領土標識を立てた「独島学術調査隊」     朝鮮日報、2010.8.13  鄭秉峻(チョン・ビョンジュン)梨花女子大教授(韓国現代史)は、新しい著書『独島 1947』(石枕)で南朝鮮過渡政府と朝鮮山岳会が1947年8月に共同で結成した「鬱陵島・ 独島学術調査隊」による独島現地調査の写真と資料を公開した。・・・  鄭秉峻教授が公開した資料の中で特に目を引くのは、学術調査隊が過渡政府と朝鮮山岳 会の共同名義で立てた二つの領土標識を撮った写真だ。学術調査隊が1947年8月20日独島 の東島に立てたこの標識には、右側に「朝鮮鬱陵島南面独島」、左側に「鬱陵島、独島学 術調査隊記念」と漢字で書かれている。この領土標識は、韓国が植民地支配から解放され た後、独島が韓国領であると標示した初の施設物だ。 【コメント】 『独島1947 ―戦後の独島問題と韓米日関係』(A5, 1004頁、50,000ウォ  ン)は、東北アジア歴史財団の「2010年度 独島研究賞施賞事業」にて「独島守護  賞」に選定されました。 10.ノート、朴炳渉「『坂の上の雲』と日露海戦、竹島=独島」 『Let’s』69号、日本の戦争責任資料センター、2010.12  今日問われる戦争責任のそもそもの出発点は日清・日露戦争に求められる。その中で日 露戦争はどのような戦争であったのか、司馬遼太郎や多くの歴史家があまり語ろうとしな い開戦や海戦の真実を掘り起こし、司馬の描く歴史像がすべてではないことの一端を明ら かにする。さらに最近は尖閣(釣魚)諸島問題を機に一段と領土問題が注目されている ので、日露海戦との関連で竹島=独島にもふれる。 http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-1012.pdf 11.歴史科学協議会、第44回大会  池内敏報告「竹島/独島論争とは何か―和解へ向けた知恵の創出のために」  日時 2010.11.20  場所 中京大学 【コメント】池内氏は結論として「現地(欝陵島)の側に竹島/独島を「ドクソム」と呼 ぶような条件が無いのだから、勅令41号に見える「石島」が現地用語を踏まえた独島だ、な どということはありえない」と記したが、これは次項の論説により再考されるべきではな いだろうか。 12.論説、朴炳渉「明治時代の欝陵島漁業と竹島=独島問題(2)」   『北東アジア文化研究』第32号、2010.10、要約は以下のとおり。 (1) 竹島=独島は遅くとも1899年には欝陵島住民の漁業などで具体的に認識された。そう  した漁業をとおして日本領事館や日本政府などは竹島=独島を欝陵島の付属島と認識した。 (2) 大韓帝国末期、韓国各地の「石島」は [Seok do]と音読されたのではなく、全羅道で  は日本語表記で「トトクソム」、その他の地域などでは「トルソム」「トリソム」など  と訓読された(水路誌)。これらは[Dok seom]や[Dol seom]に由来する。 (3) 1880年代、欝陵島民の半数以上は全羅道の石島近くの巨文島や初島から来た。石島を  全羅道の方言で[Dok seom]と呼ぶ彼らは、竹島=独島も[Dok seom]と呼称し、それが  1900年勅令41号に石島と漢字で表記されたであろう。 (4) 竹島=独島は1920年代にも[Dok seom]と呼称された(日本外務省資料)。戦後も米国  の占領軍文書などから呼称名[Dok seom]が確認される。勅令41号で石島と表記された  [Dok seom]は独島と表記されるようになった。 (5) 于山島の探索が現地で二度おこなわれたが失敗し、伝説の島になってしまった。その  ために于山島の名が勅令41号に記述されなかったと見られる。 (6) 竹島=独島を無主地として領土編入した日本の閣議決定や島根県告示40号などは、日  本の官報記事 (1905.9.18)「韓国鬱陵島現況」によって、竹島=独島が欝陵島の付属島 であり、欝陵島民が経済活動をしていたことが立証されるので、領土編入はその根拠を失う。  本論説の全文、および論説(1)は下記のサイトで閲覧可能。 http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park.html  以上

[ 半月城通信トップ画面 ]