竹島=独島問題ネットニュース 24号
2010.7.12
竹島=独島問題研究ネット発行
 
 記事一覧

1.新刊書、朴炳渉『韓末期の欝陵島・独島漁業――独島領有権の観点から』

2.論説、朴炳渉「明治時代の欝陵島漁業と竹島=独島問題(1)

3.重家俊範大使が20日退任、独島問題に追われた任期

4.新刊小説、荒山徹『竹島御免状』角川書店

5.「日本に不利な独島関連文書非公開は正当」日本高等法院

6.国会で韓日関係討論会、「独島問題に冷静対処」で一致

7.映画「アシカを探して」、東北アジア歴史財団制作

8.病魔も折れない情熱 「日本人の誰が言い張っても自信」

9.【安藤慶太が斬る】岡田外交の“不作為”の持つ意味

 

 記事詳細

1.新刊書、朴炳渉『韓末期の欝陵島・独島漁業――独島領有権の観点から』

韓国海洋水産開発院、2009.12(名目)発行(日本語、韓国語併記)

韓国による独島の実効支配の一つの例が1900年に石島を欝島郡の管轄下とした大韓帝国勅令41号である。しかし、石島は勅令41号に登場するだけで、石島が独島であることを示す公的な資料がないため、日本政府は石島が独島であることに疑問を呈している。さらに、勅令41号では多くの地図や官撰史書に記述された于山島の名が使用されず、なぜ石島という名前が使用されたのか、その疑問が完全に解明されたとはいいがたい。

そのような疑問を解く鍵の一つは、勅令前後の韓末期における漁業の実態を明らかにすることにある。・・・その実態を詳細に研究した本稿は独島領有権論争に大きな寄与となろう(院長の巻頭言より)。

(日本語要約)http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-0911j.pdf

(韓国語要約)http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-0911k.pdf

【コメント】 本書を入手ご希望の方は新幹社(tel 03-5689-4070)へご連絡ください。ただし、部数限定です。

 

 

2.論説、朴炳渉「明治時代の欝陵島漁業と竹島=独島問題(1)

           『北東アジア文化研究』第31

 上記『韓末期の欝陵島・独島漁業』の第23章を中心に記述、続編は第32号に掲載予定(12月ころ発刊予定)。

http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park201003.pdf

 

 

3.重家俊範大使が20日退任、独島問題に追われた任期

            聯合ニュース、2010.7.8

 2007年8月に赴任した重家大使は、終始、独島(日本名:竹島)問題の対応に追われたといっても過言ではない。新たな韓日友好協力時代を掲げ、多方面で努力を続けたが、その度に独島問題に足を引っ張られたというのが、外交筋のおおむねの評価だ。

 重家大使が独島問題で外交通商部に呼ばれたのは計4回に及ぶ。退任を間近に控え、7日には独島関連団体に所属する男から10センチメートル余りの大きさのコンクリート片を投げつけられる難に遭った。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2010/07/08/0400000000AJP20100708002800882.HTML

【コメント】 コンクリート片を投げた金キジョンの属する「わがマダン(庭)独島の守り手」は、本籍を独島へ移した人たちが2006年に結成した団体であり、会員数は10名未満とのこと。

 

 

4.新刊小説、荒山徹『竹島御免状』角川書店

世にいう「竹島一件」から4年、日朝両国の平和は保たれるはずであった。ある日、陰陽道に通じた柳生友信は、朝鮮妖術師の日本侵入を察知する。松島(竹島=独島)をめぐって日朝の妖術師が織りなす戦いの中で安龍福の運命は? 絶体絶命の鳥取藩主 池田綱清の運命は? 下條正中とは何者?

http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%B9%E5%B3%B6%E5%BE%A1%E5%85%8D%E7%8A%B6-%E8%8D%92%E5%B1%B1-%E5%BE%B9/dp/4048740342/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1278822202&sr=1-1

 

 

5.「日本に不利な独島関連文書非公開は正当」日本高等法院

YTNニュース、2010.6.24
  日本の法院は一審に続き二審にても、外交文書の場合は作成後30年経過すると原則的にすべて公開することになっている関連法の規定にもかかわらず、独島領有権などと関連する1965年の韓日会談の文書に関するかぎり公開の対象としない日本外務省の方針を正当だと肩入れしました。
  日本の東京高等裁判所は、「韓日会談文書の全面公開を求める日本の市民団体の会」が日本政府を相手に出した情報公開訴訟の控訴審において、一審と同じく原告の請求を棄却しました。裁判長は、判決文において「北朝鮮との国交正常化交渉や独島をめぐる韓国との領土問題において不利に作用する可能性があり、非公開としたことは正当だ」と判断した去年12月の東京地方裁判所の判断をそのまま認めました。

http://www.ytn.co.kr/_ln/0104_201006240954221060

【コメント】 「求める会」の吉沢氏による「日韓国交正常化と残された課題」は下記を参照してください(パスワード必要)。

http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/msc_ron_cl/yoshi09w.pdf

 

 

6.国会で韓日関係討論会、「独島問題に冷静対処」で一致

           聯合ニュース、  2010/04/16

出席者らは、日本の独島(日本名:竹島)領有権主張に感情的に対応することは、結局は日本に有利になるため、今後はさらに落ち着いて、論理的に対応すべきだと口をそろえた。独島問題を円満に解決し、両国関係の発展を目指すべきだとの意見で一致した。

 成均館大学行政学科の李淑鍾(イ・スクジョン)教授は、当面は独島をめぐり両国の葛藤(かっとう)が深まる可能性が高いと予測した。日本で閉鎖的民族主義が台頭しないよう、韓国で反日民族主義が広まらないよう、両国は相互理解と対話を優先する世論の造成に尽力すべきだと強調した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2010/04/16/0200000000AJP20100416002900882.HTML

 

 

7.映画「アシカを探して」、東北アジア歴史財団制作

朝鮮日報、2010.6.18

 映画は、独島をテーマに公演を行っているBボーイ(ブレークダンサー)のチーム「ラスト・フォー・ワン」を追う場面から始まる。このチームは、独島公演を準備する傍ら、1950年代に独島で潜水漁を行った済州の海女を訪ね、なぜ独島からアシカが姿を消したのか、歴史の裏道をたどっていった。

鳥取藩米子の商人・大谷家が残した17世紀の文書に記されている、「アシカの油を取るため独島に行った」という内容、アシカを取りに来た日本の漁民をしかりつけた安竜福の話、1903年に隠岐の漁民・中井養三郎がアシカ捕獲のため「竹島漁猟合資会社」を設立した場面、アシカが暮らしていた独島の姿を撮影した1940年代のフィルムなど、独島からアシカが消えていった歴史と独島の美しい自然が、アニメーションと実写を交えて描かれた。

 

 

8.病魔も折れない情熱 「日本人の誰が言い張っても自信」

朝鮮日報 2010.04.21

30年の独島領有権研究を集大成 『鬱陵島と独島…』出した宋炳基教授

パーキンソン病闘病中、5年かけて完成

 30年を越える歳月を鬱陵島・独島の研究に捧げた宋炳基・檀国大名誉教授(77)が、この間の研究成果を集大成した『鬱陵島と独島 その歴史的検証』(歴史空間)を出版した・・・

 今回の著書は、パーキンソン病を長く病んできた宋教授が病床で完成したことにより、一層意味が大きい。彼は病苦と戦いながら、薬を飲んで手の震えが止まった時、原稿を紙に直接書き、弟子がこれをコンピュータで整理した。この過程を5年間続けた。宋炳基教授は鮮やかな声で「それでもつらいと思わなかったのは、我が国の実録と地理誌、奎章閣図書、そして江戸時代の日本資料までも活用して本を書いたので、日本人の誰が来て独島が自らの領土だと主張しても、絶対そうではないと自信を持って証明することができるという確信があったためだ」と話した。

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/04/20/2010042002543.html

【コメント】 本書は、昨年11月「韓国国際交流財団」の出版補助を受けて日本で出版された『欝陵島・独島(竹島)歴史研究』(朴炳渉訳、新幹社)の韓国語版である。ただし、若干の加筆修正がなされている。原書より訳書が先に出版されたのは、補助金の期限など諸事情による。なお、昨年10月、『竹島(独島)欝陵島 歴史研究』(新幹社)が出版されたが絶版になった。これは、上記の訳書と書名が違うだけで内容は同じである。

 

 

9.【安藤慶太が斬る】岡田外交の“不作為”の持つ意味

            産経ニュース、2010.4.18

 わが国固有の領土でありながら、韓国が不法占拠している竹島に、韓国側はヘリポートを設置しているのだが、これを30年ぶりに改修しようと言う動きがあるのだ。

 韓国紙の報道などによると、改修に向けてすでに今年2月、設計契約を終え、9月に完成予定で、改修後のヘリポートは、これまでの2・5倍となる重量25トンの軍用輸送ヘリコプターが離着陸でき、警察1個部隊(約40人)の緊急派遣が可能になる。夜間照明を備え、24時間運用が可能だという。報道などでは改修の目的について、政府機関関係者が「突発的な軍事衝突に迅速に対応するため」と発言したと伝えられている。

以上