竹島=独島問題ネットニュース 20号
                                                 2009.8.9
                        竹島=独島問題研究ネット発行
 
 記事一覧
1.俵義文論説「竹島/独島は日本の教科書にどうかかれているか」

2.日韓、幅広く「竹島」議論(島根県立大シンポ)

3.独島研究所が学会開催、内外の学者が領土問題を討論
4.「村山談話を受け継ぐ」民主党岡田克也幹事長インタビュー
5.日本の独島領有権記述、外交通商部が即刻是正を要求
6.『防衛白書』2009年版
7.福原裕二論説「『竹島』関連言説の検討」
8.「独島を守った将軍」安竜福財団が発足
9.島根県・竹島問題 意識啓発へDVD作製
10.竹島問題:県独自の取り組み、副教材完成 県内全小中学校に配布へ
 
 記事概要
俵義文論説「竹島/独島は日本の教科書にどうかかれているか」
季刊 『戦争責任研究』第64号、2009年夏号
(PW必要) http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/msc_ron_cl/tawara0907.pdf
 093月に検定制度が改悪されたために、政府の主張だけが一方的に書かされかねな
い事態になろうとしている。竹島についてもこれまで以上に「韓国が不当に支配(占拠)」と
書く教科書が出てくることが危惧される。・・・・・
 東アジアの平和な未来をめざす私たちの民間交流のこれからにとって、竹島を指導要領
の解説書に明記し、教科書に記述させ、学校で教えさせるというのは、障害にこそなれ、何
らの役にも立たないものだと思う。日本の政府・文科省は解説書からすみやかに「竹島」の
記述を削除し、韓国との関係を修復して、冷静な話し合いを開始すべきだと思う。
 
 
2.日韓、幅広く「竹島」議論(島根県立大シンポ)
           中国新聞、2009.7.5
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200907050060.html
 日韓の研究者が一堂に会して竹島(韓国名・独島=トクト)を論じるシンポジウム「学術とし
ての竹島/独島研究の定立のために」が3日、浜田市の県立大であった。領土論争ではな
く、竹島研究のあり方や漁業史などさまざまな視点で竹島を語り合い、市民ら50人が熱心
に聴いた。
 韓国の大学で講師の経験がある同大の福原裕二准教授(国際関係史)は「日韓の研究
は互いに自国の資料に頼るきらいがある。自由操業を求める日韓の漁業者など島に影響
を受ける人々の視点も足らなかった」と指摘。 
 
【コメント】研究発表は下記のとおり
福原裕二「竹島/独島研究における第三の視点」
文竣映「独島を通じて、独島を越えてー最近の韓国における独島研究の動向」
朴昶建「領有権問題をめぐる韓日葛藤の規範拡散ー『竹島の日』と『対馬島の日』条例制定」
佐藤壮「領有権問題における不可分性ー竹島/独島をめぐる日韓関係を事例に」
森須和男「市民から見た鬱陵島と竹島/独島」
金秀姫「欝陵島・独島の漁業慣行と日本式漁業の伝播過程」
 
 
独島研究所が学会開催、内外の学者が領土問題を討論
聯合ニュース、2009.8.5
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2009/08/05/0400000000AJP20090805004300882.HTML
東北亜歴史財団の独島研究所が、開所1周年を記念し6~7日にソウルで領土問題に
関する国際学会を開く。 学会は「独島(日本名:竹島)と東アジア~過去・現在」「国際的
視角から見た東北アジア領土問題」「独島問題に関する学際的対話」「国際秩序の変容と
領有権問題」の4テーマに分かれ、韓日中をはじめロシア、米国、豪州などの学者25人が
発表や討論を行う。・・・・・
島根県立大学の福原裕二教授は、1978年の島根県統計書の圏域地図に竹島を含め
たことは国レベルのことだとしながら、韓国と日本の研究者が竹島に影響を受けざるを得な
い地域と地域住民をおろそかにすべきでないと指摘した。
 
 
「村山談話を受け継ぐ」民主党岡田克也幹事長インタビュー
聯合ニュース、2009.8.1
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=118671&servcode=A00§code=A00
  民主党の基本路線を明らかにした総選政策集に独島領有権が明示されたことにつ
いては「核心公約を盛りこんだマニフェスト(政策公約)には入らなかった」とし
「過去から政策集に盛り込まれたもので、自民党に比べて力強い表現をしたもので
もない」と説明した。教科書解説書の独島領有権記述問題については「検定制度が
あるが、基本的に政府は関与しない」とし「領土問題は国家の主張という点で(両
国が)互いの主張を知っていることが重要だ」と主張した。
 
 
.日本の独島領有権記述、外交通商部が即刻是正を要求
聯合ニュース、2009.7.17
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2009/07/17/0400000000AJP20090717003300882.HTML
【ソウル17日聯合ニュース】外交通商部は17日、日本政府が2009年版防衛
白書で独島(日本名:竹島)を日本の領土と記述したことに対し、即刻是正を求め
た。
  文太暎(ムン・テヨン)報道官は聯合ニュースの電話取材に対し、韓国政府は日
本政府が発表した防衛白書で独島を日本固有の領土と記述したことに外交ルート 
を通じ強く抗議したと述べた。独島は歴史的・地理的・国際法的に韓国固有の領土
であることは明白だとし、韓国政府は独島領有権を棄損するいかなる試みにも 断固
として対処すると伝えた。
 
 
『防衛白書』2009年版
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_web/
I わが国を取り巻く安全保障環境 
2 わが国周辺の安全保障環境
 朝鮮半島においては、半世紀以上にわたり同一民族の分断が継続し、南北双方の兵力
が対峙(たいじ)する状態が続いている。また、台湾をめぐる問題のほか、南沙(なんさ)群島
をめぐる領有権の問題なども存在する。さらに、わが国について言えば、わが国固有の領
土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決のまま存在している。
 
 
7.福原裕二論説「『竹島』関連言説の検討」 
『総合政策論叢』第17
(PW必要) http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/msc_ron_cl/huku-0903.pdf
 このように見るなら、「李承晩ラインの設定によって、竹島周辺海域に出漁した日本漁船
が拿捕されたのは事実なのかどうか」というのは、事実でないということが判明する。無論、
この事実の析出によって、李承晩ラインの侵犯による日本漁船の拿捕の事実、またこれに
よってもたらされた被害と悲劇を相対化したいわけではない。
 
 
8.「独島を守った将軍」安竜福財団が発足
中央日報、2009.6.19
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=116880&servcode=400§code=410
財団は大邱市新川洞(テグシ・シンチョンドン)に事務所を置き、鬱陵郡(ウルルングン)
に青少年向け「海の学校」を設置し運営する。 
   財団は今後、安竜福将軍ら独島を守り抜いた先祖の精神を継承・発展させ、青少年の
海洋開拓精神育成と独島の実効的支配強化、領土守護に向けた先導的な役割をすること
になる。また長期的で体系的な独島研究と内外広報の求心点の役割、民間レベルの独島
守護事業を進める。
 
 
9.島根県・竹島問題 意識啓発へDVD作製
山陰中央新報、2009.5.19
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=512295004
 島根県は、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題の意識啓発事業の一
環で、DVD「竹島 かえれ島と海2009」を作製した。県内市町村に配布するほか、外務省
や各都道府県立図書館にも送る。
 今年二月二十二日の「竹島の日」を前に、地元テレビ局で放映した県政特別番組を再編
集した。日韓両国の主張の解説や島根県の活動などを、十七分間で分かりやすくまとめて
いる。

 
10.竹島問題:県独自の取り組み、副教材完成 県内全小中学校に配布へ
毎日新聞2009.5.27
 日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)についての小中学生用の学習副教
材が完成した。県、県教委、「竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議」の3者が県独
自の取り組みとして作成、県内すべての小中学校、各市町村教委など計401カ所に配布
する。
 副教材はDVDとCDの2枚組で、DVDには小学5年(1単位時間)▽中学1年(2単位時
間)▽中学2年(1単位時間)--の各学年用に4~7分ほどの映像を収録。またCDには、
教員用の社会科学習指導案▽児童・生徒が学習に利用できるワークシート▽統計資料▽
隠岐の島町が独自に作成した竹島に関する副教材「ふるさと隠岐」--などが入ってい
る。

以上