半月城通信
No. 30

[ 半月城通信・総目次 ]


  1. 世界の論調(2)、「従軍慰安婦」と日本の外交政策
  2. 世界の論調(3)、オーストラリア
  3. 世界の論調(4)、香港
  4. 禹長春博士
  5. 日韓交渉資料の非公開申し入れ
  6. 関東&関西オフ会
  7. 反日と親日
  8. インターネットへの転載


- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策 97/03/16 - 02380/02380 PFG00017 半月城 「従軍慰安婦」問題と日本の外交政策 ( 7) 97/03/16 11:17 02349へのコメント   「従軍慰安婦」問題はアジアをはじめ、オランダなどヨーロッパにまで広 がる国際的な問題であるだけに、この問題を議論するときは日本原人さんが書 かれたように、韓国など外国の主張は絶えず念頭におく必要があると思います。   グローバルな視野からすると、日本軍にとって「従軍慰安婦」は必要不可 欠であったなどという、小林よしのり氏のような独善的な見方はもちろん通用 するはずがありません。また、自由主義主観論者が主張するように、ドイツや 外国などでも慰安所制度があったなどという希釈効果をねらった発言は、国際 的には見苦しいものであり、日本に対する不信感を増大するだけで、何ら日本 の益にならないのではないかと思います。   この問題の解決を図るには国際的な視野から、アジアの人々がすこしは納 得できるような議論を当然すべきです。こうした観点から、「従軍慰安婦」の 議論は「世界の土俵で通じる議論」をすべきであると、人材育成コンサルタン トの辛淑玉さんは主張していますので、まずはそれを紹介します(朝日新聞、 97.2.24)。           ーーーーーーーーーーーー   いま、従軍慰安婦の「強制連行」の有無について、ホットな論争が続いて いる。しかし、一体これが、どれだけの価値がある論争なのか疑問に思う。 「資料がないから強制連行はなかった」、だから「慰安婦は合法的な商行為で ある」といい続けること自体、これからの日本が世界の中で生きていく道を考 えるにあたって、どれほどの前向きの意味を持つというのか。   こういう形式的論理は、目の前に連行を証言する生き証人がいるアジア諸 国の人々の前では、あまりにも説得力に乏しい。それは、心理的に過去の事実 を直視することに耐えられなくて否認したい一部の日本人や、周辺アジア諸国 の隆盛にいらだちを抑えきれない一部の日本人を納得させるだけのレトリック (修辞学)に過ぎない。   たとえ、千歩譲って強制連行がなかったとしても、そのことによって、世 界における日本の名誉が回復できるのか。強制連行がないから日本が贖罪(し ょくざい)されるという論理は、一体、どこの世界で通用するのだろうか。た とえ慰安婦問題における強制連行についての有無が永久に泥沼化しても、この 論理が、日本の戦争の問題に納得していない人たちに説得力を持って受け入れ られ、日本の戦争責任が贖罪されるということはありえないからだ。おそらく、 議論の努力に見合うだけの成果は得られないだろう。   ・・・   「従軍慰安婦問題は、どこをどう解釈しても日本がのびやかになれる点は みじんもない。だからこそ、国際社会のルールにそって、国家の責任ときちん と向き合い、解決に向け積極的な議論をしてもらいたい。           ーーーーーーーーーーーーー   日本が「のびやかに」なれないということは、日本はアジア外交で時には 先導的役割を果たせないことを暗示しています。これは日本の外交政策上留意 すべき点ではないかと思います。それに関連して、中国政治外交史が専門の明 治学院大・横山宏章教授は傾聴すべき意見を述べています。   同教授は中国が経済的発展で力をつけ、問題を内包した自己規範の絶対化 をはかる方向にかんがみ、日本は中国に対し時にはNOと言えるような強い発 言力を確保する必要があるとしています。こうした観点から日本の戦争責任の とり方を次のように記しました(朝日、97.2.24)。   「(日本がなすべきことは)中国へNOといえる関係を確立するために、 日本の対中国外交が弱腰外交となっている要因である戦争責任が未解決である という負い目を解消することである。   そのためには毅然(きぜん)とした決意で戦争責任を認め、国会があらた めて誠意ある謝罪をすべきである。そうしてはじめて日本は中国と対等な交渉 ができる。従軍慰安婦問題などで否定的発言をすることは日本の国益を損なう 売国行為である」   ここの会議室では西尾教授に共感し、吉見教授のように旧日本軍の残虐な 過去を明らかにするのを、国益を損なう「自虐史観」とみる人が多いようです が、横山教授は逆に「従軍慰安婦」問題で否定的発言をすることを反日的であ ると断定しています。この意見の食い違いは、近視眼的な「民族の誇り」に執 着し「井の中の蛙」になって発言するのか、広く国際的な視野から発言するの かという基本的なスタンスの違いからくるのではないかと思います。   なお、私は横山教授のように、外交実利的な面から「従軍慰安婦」問題を 処理することに必ずしも賛成するものではありません。自民・新進党あたりの 一部議員にも、日本が国連・安保理常任理事国をめざすにあたり、のどにつか えた骨のような存在の戦争責任問題は早く「謝罪」して片づけたほうが得策と 見受けられるような論調があります。   しかし「従軍慰安婦」問題のように、アジア女性の性奴隷としての被害は、 基本的には人権問題であり、外交政策と切り離して日本国内法や国際条約など に照らして解決を考えるべきであると思います。   先日も国連の国際労働機関(ILO)において、旧日本軍の従軍慰安婦問 題が昨年(注1)に続いて取り上げられ、またもや「慰安婦はILO条約が禁 止する『強制労働』に当たる」との委員会の見解が改めて確認され、年次意見 報告書として公表されました(注2)。   同専門委員会は、元慰安婦救済措置を日本政府に命ずる権限はないと断っ た上で、日本政府が元慰安婦に対し謝罪し、償い金を払うため設立された「女 性のためのアジア平和国民基金」を支援していることを専門委に詳細に報告し たのに「留意する」としました。この点が今回注目されます。   さて、日本の戦争責任に関する世界の論調として、前回は#2062でタ イの新聞を紹介しましたが、続きとして今回はシンガポールの新聞を紹介しま す(和田春樹他編「日本は植民地支配をどう考えてきたか」梨の木舎)。         ーーーーーーーーーーーーーー ストレーツ・タイムズ(95.6.9)  「年とった日本人は忘れてはならない。若い日本人は知らねばならない」  (前半省略)   アジア諸国の政府や有力な団体は、日本の戦争をになった世代が決して過 去を忘れないよう、たえず圧力をかけていかなければならない。また、経済 的・外交的利益に基づいた通常の友好的な関係とは別途に、立法府による謝罪 の問題は、われわれの注目すべき課題であり続けなければならない。   むしろ、若い世代が過去を知ることのほうが、ずっと大切である。しかし、 これはそう簡単ではない。アジアの人々が思っている以上に、過去をおおい隠 そうとする古い世代の宣伝は浸透しているからだ。   その端的な例が、性的な苦役を強いられた女性たちの問題である。5年前 に韓国の女性たちが初めて声を上げた時、日本政府は、その訴えは事実でない と否定した。みずからの主張をくつがえす証拠が出てくるまで、日本政府はそ の立場に固執した。   戦争中のいまわしい行為が広く存在しながら何十年もそれが隠されてきた 事実は、そこに意図的な隠蔽工作があったことを疑わせる。日本はこれまでの ところ、隠蔽に成功してきている。 したがって、若い日本人を歴史的な健忘症から救い出すのは緊急の課題で ある。そうしなければ、若い世代がまたも破滅的な戦争をひきおこすことを妨 げないかもしれないのだから。   それは杞憂でない。1982年に日本の文部省は、歴史教科書の検定にお いて、戦争における日本の役割を隠蔽するように指導した。中国への侵略は進 出と記述された。1937年の南京大虐殺や、韓国に対する1910年以来の 野蛮な支配の記述でも、ごまかしが行われた。   これは中国、台湾、韓国からの抗議を呼びおこした。抗議は、日本が姿勢 をただすまで、ひとしきり続いた。教科書問題から13年たった今日も、歴史 教科書は真珠湾や一般市民への拷問、虐殺のようなやっかいな問題については、 あまり記述していない。つい先週も、外相をつとめた政治家(渡辺美智雄氏) が、韓国の植民地化についてのありもしない話を口にしてみせた。   日本がみずからを絶対的に正当化するにあたっては、長い長い道のりがあ ったはずである。われわれは日本の子どもたちに教科書を書いてあげようなど とさしでがましいことはしない。けれども、国際世論は日本を注視し続けるだ ろう。                       (チャン・チュアフク)        ーーーーーーーーーーーーーーー (注1)半月城通信、<「従軍慰安婦」11,国際法(2)> (注2)朝日新聞ニュース速報(97.3.15)抜粋  国際労働機関(ILO)の条約勧告適用専門家委員会の一九九七年版年次意見報告 書が四日、公表された。旧日本軍の従軍慰安婦問題が昨年に続いて取り上げられ、「 慰安婦はILO条約が禁止する『強制労働』に当たる」との委員会の見解を改めて確 認し、「戦時であり、適用が除外される」との指摘に対しても「不適用にはならない 」として退けた。  労働法などの専門家で構成される同専門家委は、加盟各国が条約を守っているかど うかを各国政府などからの報告に基づいて検討している。  慰安婦問題については、九五年六月に寄せられた大阪府特別英語教員組合(OFS ET)からの投書に答える形で昨年版で初めて取り上げられ、「条約に違反する性奴 隷」と断定し、「政府がすみやかに適切な配慮をすることを希望する」と、被害者の 救済を求めていた。  その後、日本政府から同委に対し、女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性 基金)の推進など、元慰安婦への支援策の説明が二度にわたって書簡で行われたため 、最新版で再び取り上げられたものと見られる。  昨年の報告に対し、日本政府は「意見は投書からの伝聞だけによる一方的なもの」 と反発していたが、新しい報告は昨年の経緯を説明する形で「慰安婦への虐待は条約 が絶対的に禁止する事項に当てはまると委員会は報告した」と述べ、昨年の見解が揺 るがないことを表明した。  そのうえで、慰安婦が戦時などの緊急時に「強制労働」の適用除外を設けたILO 条約二条に当たるかどうかを検討し、これまでのILOの見解を総合して「適用除外 には当たらない」との考えを明らかにした。また、強制労働を強いれば刑事的処罰の 対象になる点も指摘し、「日本では強要や強姦は罰則のある犯罪である」として、具 体的に日本の刑法百七十七条を挙げた。   http://www.han.org/a/half-moon/(半月城通信)


- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策 97/03/23 - 02518/02518 PFG00017 半月城 世界の論調(3)、オーストラリア ( 7) 97/03/23 11:55 02458へのコメント   つらいひとりっ子さん、こんにちは。半月城です。 つらいひとりっ子さんも、「従軍慰安婦問題は世界の土俵で議論すべきである」 という辛淑玉さんの意見に賛成のようで、ここの会議室では心強いかぎりです。 私たちは「井の中の蛙」の議論に陥らないように、たえず世界の論調はある程 度知っておく必要があると思います。   ここの会議室は「海外政策」をひとつの看板にしているだけに、賛成・反 対を問わず、タイやシンガポールなど海外の論調に反応される方が多いようで す。その関心の高さにこたえて、今回はオーストラリアの新聞を紹介します。   なお、引用は、和田春樹他編「日本は植民地支配をどう考えてきたか」 (梨の木舎)からですが、編者の和田・東京大学教授はご存じでしょうが、 「女性のためのアジア平和国民基金」の呼びかけ人をされています。           ーーーーーーーーーーーー オーストラリア、「シドニー・モーニング・ヘラルド」社説、1995.6.10 「日本の過去の真実」           (前半省略)   (戦後50年国会決議にある)「深い反省」の表現は、謝罪にはなってい ない。これは不正確なものいいだ。日本人は、特にアジアの他の国々に苦痛を もたらし、植民地支配と侵略を行うつもりではなかったといいたいようだ。し かし、この決議は果たして日本自身の悪い行為に対する反省なのか、それとも アジアにおける欧米の植民地支配を含む当時の一般的状況に対する反省なのか、 はっきりしない。   日本で根強い歴史観によれば、この欧米列強が日本を戦争に導いたことに なっている。これは、日本軍国主義により被害を受けたたくさんの国々が当然 ながら問題にしている日本自身の行為を、戦争の一般的な歴史的経験にすりか えている。   まるで、ナチの行った殺戮や残虐行為と同じくらい、あるいはもっと非道 なことが歴史上に存在したことがあると強弁するのと同じようなものだ。けれ ども、歴史上のナチの行為を直視するなら、こうした立場は決して認められな い。それが国際社会であっても、ドイツの右派的な人たちの間でも。   韓国、中国は第二次世界大戦以前から日本に侵略、支配をされ、またオー ストラリアを含む多くの国々の人々は、戦争中、日本の支配下で暴力に苦しめ られた。日本のこうした考え方は、日本の支配の下で苦痛を味わった他国の 人々に通じはしない。   そればかりか、多くの日本人にもこうした考えは受け入れられていない。 世論調査によっても、大部分の日本人が政府に、戦争に対する責任をもっと明 確に示すべきだと望んでいることが報告されているとはいえ、謝罪に対する抵 抗が強いこともまた明らかだ。   それは単に日本軍国主義の伝統を受け継ぐ右翼の後継者たちの力が強いた めだけでもない。兵士というのはどこの国でもそうであろうが、自分たちは単 に命令に従っただけであり、あやまることは何もないと純粋に信じている、元 兵士だった普通の人たちが抵抗を感じているためであろう。   日本はまだ、みずからの過去の真実に正面から向き合っていない。これは、 事実が隠され続けてきたということがひとつの原因になっている。教科書は政 府の検定で支配されてきた。戦争犯罪のつらい事実が国民的議論の対象となら ないよう、あたらずさわらずの雰囲気が日本をおおってきた。そして今、日本 の政治家は、それを変えるのに必要なリーダーシップを発揮することに失敗し たのである。           ーーーーーーーーーーーー   来年度から、中学校の教科書に「従軍慰安婦」が記述されるようになった ので、この新聞社のいう「日本では事実が隠され続けてきた」という主張はす こしは和らぐのでしょうか。   それにしても、「日本はまだ、みずからの過去の真実に正面から向き合っ ていない」という主張はなかなかシビアです。この主張の根拠のひとつとして、 検定教科書が取り上げられていますが、その検定教科書すら藤岡信勝教授らは、 その中味を「汚辱の近現代史」として批判し、最近は「従軍慰安婦」などの記 述を削除せよと発言していることは周知のとおりです。あまりにも大きな認識 のギャップです。   一方、同社のような批判が生まれたのは、教科書問題以外にもその当時、 渡辺美智雄元外相のような「歴史も恥も知らぬ政治家」が、日本の韓国統治は 「植民地支配」にあたらないなどといった「世界の土俵」ではとうてい通用し ない発言をし、国際的な非難を受けた影響があったのかも知れません(注)。   このような政治家は、外国へ行った時にどのような発言をするのでしょう か。辛淑玉さんは、#2380に紹介した「日本の戦争責任の贖罪」のむずか しさに関連してこう語っていました(朝日、97.2.24)。   「外務省も、自民党の政治家も、一歩国外に出たら、選挙区で口にしてい た内輪ぼめの言辞などおくびにも出せないからだ。ましてや慰安婦は商行為な どとは、橋本龍太郎首相も口にしない。日本国内の常識が国際社会で非常識で あるということを、政権にあるものなら自覚せざるをえないからだ」   この文はすこし舌足らずなところがあるようです。「日本国内の常識」と は前後の文脈から「慰安婦は商行為」という文言を指すのではなく、そうした 発言をする一部保守政治家の「常識」を指すものと思われます。   日本国内でしか通用しない発言や議論、マンガ、日本軍本位の考え方など は外国の不信感を増すだけではないかと思います。辛淑玉さんのことばを借り れば、「日本の罪悪感を少しだけ払拭したいという行為が、アジアに多大な不 信感を与えていることに気がつくべき」であると思います。 (注)「歴史も恥も知らぬ政治家」                 朝日新聞速報(抄)1995.6.5 (渡辺発言を)要約すれば「日本は韓国を統治したが、日韓併合条約は円満に つくられた国際的条約で、法律的には『植民地支配』にあたらない」 というものだ。だから戦後五十年の国会決議に「植民地」や「侵略」 の文言は要らない、というのである。  初歩的な間違いが、いくつもある。  そもそも併合が合法だろうが非合法だろうが、一国が独立を失い、 隣国によって政治的、経済的、軍事的、文化的に支配された事実 に違いはない。そういう状態をふつう「植民地」と呼ぶのだ。  併合条約が「円満」に結ばれた、という主張も非常識だった。  確かに日本政府は、一九一0年の併合条約が正規の手続きに基づ く条約で、当時は有効だったとの立場である。しかし韓国の立場は 違う。強制による不当な条約だから「当初から無効」との主張なの だ。  この違いが戦後の国交正常化交渉で大きな問題になった。最後は 玉虫色の表現で妥協したが、これは見解の違いを棚上げしたのであっ て、「併合条約をお互い認め合った」という渡辺氏の主張は誤りだ。     ーーーーーーーーーーーーー     http://www.han.org/a/half-moon/  (半月城通信)


- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策 02635/02635 PFG00017 半月城 世界の論調(4)、香港 ( 7) 97/03/30 14:17   このシリーズは、「従軍慰安婦」や戦争責任の問題は「世界の土俵」で通 用する議論をすべきであるという立場から、世界の論調を紹介しています。   今回は、イギリス植民地としての命脈を終えようとしている香港の論調を 3本まとめて紹介します。香港は日本からの観光客も多く、親日派の人が一見 多いように思われますが、買い物や物見遊山の観光客は国際的な相互理解に必 ずしも役だっているわけではないようです。 1.「本心か、とりつくろいか・・・謝罪決議で立ち往生した日本」 「ファーイースタン・エコノミック・レビュー」社説、1995.6.5     (和田編「日本は植民地支配をどう考えてきたか」梨の木舎)   (前半省略)   日本が第2次世界大戦中、近隣諸国を侵略し野蛮な占領を行ったのは、ま ごうことなき事実である。一年前、村山氏が新党さきがけおよび自民党と連立 に合意した際、日本の戦時中の行為に対する国会での公式の謝罪は、連立のひ とつの条件であった。   こうした謝罪は、ドイツと違って日本は行っていなかったのである。とこ ろが、自由民主主義者たちは謝罪の表明をためらっており、むしろ多くの者は、 この戦争をアジア大陸を解放するための日本の英雄的な意図からくるものだと 主張するのに余念がない。自民党の閣僚経験者である奧野誠亮は「われわれは アジアと戦ったのではない」という。彼によれば「あれはアジアを侵略した米 英との戦争だった」のである。   どこの国にも極端な考え方の持ち主は存在する。ドイツにおいてさえ、い まだにヒトラーを誤解された悲劇の愛国者だと考える者たちがいるのだ。ただ、 ドイツではこうした人はものごとがわかっていない人間だとみなされている。 ところが、日本では、奧野氏のような考え方は日本の指導者たちに支持されて いるし、歴史書までこれを裏付けるような書き方になっている。   すでに村山内閣では二人の閣僚が、日本の戦争中の役割に関する非常識な 発言でその職を退いた。また、橋本龍太郎通産大臣は、戦争を「アジア共生の 祭典」と言いくるめて国会決議反対の運動をこの間、推進してきた団体のリー ダーである。   村山首相は、ビル・クリントンを呼びつけて、広島・長崎への原爆投下の トルーマンの決定を謝罪するよう求める離れ技までやってのけた。   われわれは、日本の受けた苦痛を軽んじようとするつもりはない。とりあ えず東京にふりそそいだ焼夷弾はおくとしても、広島・長崎に投下された原子 爆弾は鳥肌の立つような多大な被害を人類にもたらしたのだ。戦争の手段と目 的についての本格的な議論も、ここから出発している。   だが、侵略の過程で諸国民に不幸をもたらしたことなど日本に不利な事実 は除いて、日本はみずからの被害を受けた点にばかり議論をもっていこうとし た。日本の歴史の重要な一部でありながら、日本の史書にはなかなか現れない 人々、その視点を含めた議論もほとんどない。   南京大虐殺を生き残った人、帝国軍隊の有名な七三一部隊により人体実験 に使われた人、香港・シンガポールでゆえなくとらわれた人、フィリッピンの バターン半島死の行進に生き残った人、オーストラリア・イギリス・アメリカ 人の戦争捕虜、朝鮮から連れ出され日本の軍人のなぐさみものにされた若い女 性たち。   ここでもう一度確認しておきたい。アジアは日本に対し謝罪をするよう求 めたことはない。村山首相の社会党が、このことを言い出した。そして、玉虫 色の決議を出すことになった。これまでしばしば、こうしたあいまいな考え方 が日本でまかり通ってきたことからして、この玉虫色の結果をわれわれはよく 理解できる。   アジアはいまだに日本を警戒のまなざしで見ているし、今回漠然と語られ た和解の決意は、誠実な姿勢を示す上でほとんど力になるまい。   もし日本が近隣諸国の思いをしっかりと考えないなら、日本はやがてとん でもないことに気付かされることになるかもしれない。過去をめぐる国内の内 輪もめの結果、強国日本への不信をテコとして近隣諸国が団結して日本に対抗 する、といった未来に。謝罪決議はもはや検討に付されている。   今われわれが求めたいのは、もっと重要なこと、すなわち誠実さである。 2.「慰安婦問題は文書公開から」   「エイシアン・ウォール・ストリート・ジャーナル」社説、1995.11.28                 (引用は、朝日新聞、95.12.3)   従軍慰安婦の苦難が先週、再びニュースになった。国際法律家委員会が、 日本政府は想像を絶する悲惨な体験をした元慰安婦に対し各4万ドルを支払う べきだと勧告したのだ。   8月には10億ドルの基金の受益者に元慰安婦たちが指定された。    (途中省略)   遅ればせで不完全な事実確認と謝罪。これらは隠されて悪化してしまった 傷だ。完全にいやすには、まず傷口を再び開けなければならない。日本の外務 省は最近、真珠湾攻撃の前に最後通牒を出さなかった過失を認めたが、これは 日本が不名誉な歴史を認めるのにいかに時間がかかるかという明確な例だ。   47年間否定し続けた後に、日本はやっと、慰安婦をかかえた軍の売春宿 (慰安所)が存在していたことを認めた。だがなお、慰安婦たちが売春を強制 されたとは認めていない。しかも、日本政府は、これ以上調査を拒否する理由 として、犠牲者のプライバシー尊重を挙げたのだ。   元慰安婦への公的な補償は、香港、台湾、サハリンなどで日本に補償を求 めている人々への補償や慰霊の先例となるかもしれない。   しかし、単なる謝罪を越える方法はもっとある。そのカギは情報だ。もし 日本政府が、慰安婦たちの苦難にかかわる文書を公開し、断片的な証言以上の、 より詳しい実体を明らかにすれば、信頼の確立への第一歩となろう。補償だけ でなく正しい認識を求めてきた元慰安婦たちの正当性のあかしともなる。そし て何より、日本の一般大衆が、すべての事実に照らして、国民としての良心を みつめることが可能になるのだ。 3.「日本は歴史の暗い影の中で方向を見失った」     「明報」社説、1995.6.14 (和田編、同上書)     (前半省略)   戦後の日本はこれまでずっと、ただアメリカの後に従うことによって、引 きかえにその安全保障を得てきた。しかし、近年は、一方で米日間の経済利益 の衝突がだんだん深刻になり、他方ではアジア太平洋地域も一歩一歩、世界の 経済発展の中心となった。日本はもはやアメリカの圧力に屈服したがらなくな り、アメリカに対して「ノー」と言いはじめた。     ・・・   どうやら、新しい時代の日本の政治家は、昔日の「恩師」ーアメリカと別 れて、あらためてアジアの大家庭に戻り、そしてアジアのリーダーになる決心 をしているらしい。   だが、日本がアジアに復帰する前提は、道徳と勇敢をもって歴史にあい対 し、非道な過去について過ちを認めて、第二次世界大戦中に、彼らの侵略によ って奴隷のように扱われたアジア人民に向かって謝罪し、彼らの許しを得るこ とである。   今年は第二次世界大戦終了50周年であるが、もともと村山富市首相の希 望は、この機会をかりて「不戦決議」を通過させ、歴史の影から抜け出てアジ ア隣国との和解を成し遂げ、日本が今後、真にアジアの大家庭で重要な役割を 果たせるようにすることであった。   しかし、日本の右翼の政治屋は、決してそのように考えなかった。彼らは、 相も変わらず大和民族がアジアの統治民族であるべきだと考え、相も変わらず アジアのひよわな隣国を陵辱して奴隷のように酷使した「大東亜共栄圏」の昔 の夢を再び見たいと願っており、歴史における侵略の罪行に関しては頑として 非を認めず、頑として謝罪せず、日本の民族心理における横暴で偏狭な一面を 表したのである。     ・・・   (国会50年決議の)決議文中では、日本の戦争時の侵略・暴行及び植民 統治に対して謝罪を表しはしなかった。そればかりか従来の日本の首相の態度 と比べると、この決議の立場は後退さえしている。日本は戦後50年目におい て、過去の歴史に対する反省を各党の政争の道具に変えてしまったのである。 そしてそれは当然のことながら、アジア隣国の怒りをひきおこし、全世界の物 笑いの種になってしまった。   過ちを認めず謝罪しないなら、アジアの大家庭には戻れない。日本は一方 でアメリカに対し強硬であり、西側世界に同一化するという伝統的な軌道を抜 け出しはじめたが、他方では事あるごとに隣国の了解と許しを得る機会を取り 逃がし、アジア社会に接近することがむずかしくなっている。こうした状況に おいては、村山内閣だけでなく、すべての日本民族の未来の道までもいよいよ 危うくなってしまう。   このめまぐるしく変化する時代において、日本民族はどのようにみずから を処すべきだろうか? これに対し、日本の政治家とすべての民衆は、今一度 集団全体としての自己反省をすべきだろう。   http://www.han.org/a/half-moon/  (半月城)


文書名: RE:禹長春博士 [zainichi:1764] Date: Sat Mar 15 16:30:34 1997   岡崎 均さん初めまして。半月城です。禹長春博士を題材に日韓両国の理 解につながる教材開発をされているとは興味深い話です。   岡崎さんの質問ですが、ソウルの街頭でNHKが「禹長春博士を知ってい ますか?」という質問をしたところ、10人中9人まで知っていました。それ もそのはずで、禹博士は育種学の研究成果が認められ韓国最高の栄誉である 「大韓民国文化褒賞」を2番目に受賞され、教科書にも紹介されているくらい ですから韓国人は知ってて当然です。   次に教科書ですが、韓国で6年生の道徳の教科書に次のように載っている ことを、日韓共同取材のテレビ番組、NHKスペシャル<「わが祖国」ある日 本人、禹長春>(91.2.2)が紹介していました。岡崎さんはこの番組をご存じな いようなので紹介します。タイトル中の「日本人」は決して間違いではないの で念のために書き添えます。なお、1950年当時の在日韓国・朝鮮人の国籍 については、半月城通信<4.現代(14)在日朝鮮・台湾人の国籍>に書い たとおりです。。 タイトル「種は東洋から」   おいしいキムチが食べられるのは禹博士のおかげ。その禹博士は、日本に 亡命した韓国人の子ども。韓国が独立して、帰ってきた禹博士は一生をかけて 人々の生活の役に立つよう働いた・・・。   ナレーター・小林桂樹さんの声はここまでですが、テレビの画像は教科書 のなかの禹博士と韓国の食卓の写真を映しており、文章はまだ続きます。   番組では、禹博士を題材に取材している作家・角田房子さんのようすも同 時に追っていました。角田さんは、禹博士がなぜ妻子の住む日本での生活に見 切りをつけ、言葉もわからない韓国へ永住帰国したのかという疑問に焦点を当 てて取材していたようでした。角田さんはこの理由として ・愛国心? ・母の教育の影響? ・父が関連した「閔妃暗殺」の罪の償い? ・日本での研究の行き詰まり? ・日本への憎悪? ・戦後も払拭されない韓国人に対する差別からの脱出? などといった通り一遍の説明に満足せず、その奧にあるかも知れない何かを求 めて精力的に取材したようでした。NHKの取材も同じ疑問に回答を求めて、 関係者はもちろん、三.一独立運動の時、堤岩里教会焼殺事件の生き証人など にも会いました。   その疑問に対する答えはあまりはっきりしませんが、禹博士が戸籍上の戸 主としての責任をまっとうするため、韓民族としての生き方を選択したのでは ないかというニュアンスでした。その当時、韓国で戸主やその長男は絶対的な 存在で、特権階級「両班(ヤンバン)」などは食事も家族と別にするなど、一 族のかなめとして重要な存在でそれなりの権威を持っていました。   この動機は、当時の感覚からするとあり得るのかも知れません。当時の価 値基準は今とはだいぶ違うものがあります。またこれも当時の価値基準を念頭 におかないとわかりにくいのですが、日本に何十年も残された奥さんの小春さ んは夫を恨むどころか、博士の「社会葬」に韓国服を着て参席しました。   小春さんは生粋の日本人でありながら、チョゴリを着用し遺族席についた ということは、長年生き別れになってもそれだけ夫を尊敬し、それを心の支え にひたすら留守を守った貞淑な妻であったのでしょうか。その上さらに、葬式 に遠慮して出なかった禹博士の現地妻を釜山にたずね、「夫の面倒を長年見て いただきありがとうございました」と、深々と頭を下げたそうでした。   心に残る話の総仕上げは、禹博士のいまわの床に届けられた文化褒賞をめ ぐるエピソードでした。禹博士は「祖国は私をわかってくれた」とつぶやき世 を去りました。かって日本で亡くなった母親の葬式に、あるいは戻らないこと を懸念してか帰国を許さなかった韓国政府から今度は最高の栄誉が贈られたの ですから、研究者として、また韓国人として本望であったことでしょう。   http://www.han.org/a/half-moon/(半月城通信)


- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策 97/03/30 - 02643/02643 PFG00017 半月城 日韓交渉資料の非公開申し入れ ( 7) 97/03/30 22:46 02560へのコメント    #2550,つらいひとりっ子さん  >また韓国が日韓国交正常化時の資料を公表しようとしたときに日本の外務  >省がそれを公表しないように頼んだということもあり  >なんかまだ怪しいというのが実感です    #2560  > デマゴーグ扱いされそうだけどい朝日新聞で読んだのはたしかですがい  >つのかは失念しました。多分ここ2週間、3週間以内の記事です。1面か  >外交面だったと思います。   つらいひとりっ子さんがデマゴーグ扱いされないようフォローしたいと思 います。   日本の外務省が昨年末、韓国政府に日韓交渉記録の部分公開を取りやめる よう申し入れたとする記事はたしかに朝日新聞に掲載されました。その報道を 一部引用します。 ーーーーーーーーーーーーーーー 「外務省が非公開要請、国交正常化の日韓外交文書」            (朝日新聞、97.2.20)    (前半は、著作権が問題にならないよう省略)  日韓両国の外務省筋によると、韓国外務省は情報公開法に基づい て、日韓正常化交渉の部分公開を内定、昨年十一月、今年の公開リ ストを日本側に通告した。当時の交渉で最大の懸案だった漁業交渉 や賠償請求権、竹島(韓国名・独島)の領有権問題などについては 、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉への配慮 や、「国民感情を無用に刺激する」(同)などの理由で当面「全面 非公開」の原則は崩せないが、手続き面や実務会談に関する外交文 書については漸次公開していく指針を提示した。  韓国側が部分公開を内定した案件は、日韓交渉関連計約百六十件 のうち、七次にわたる日韓会談と予備会談の議事運営録や、植民地 時代に日本へ渡った文化財の返還問題、在日韓国人の法的地位関連 など約四十件。  日本も韓国同様、交渉成立後三十年を過ぎた文書は原則として公 開しているが、韓国側の公開決定に対し、ソウルの日本大使館員を 通じ「たとえ一部公開でも、日朝交渉や日韓の信頼関係への影響を 強く懸念する」と韓国外務省アジア局の課長レベルに口頭で伝えた 。その上で、在日韓国人の法的地位など国籍関連の文書公開に法務 省が難色を示していることなどを挙げ、慎重に再検討するよう求め た。特に交渉における日本側提出文書については「一切同意しかね る」とのコメントを付けた。  韓国側は今年一月半ばからの文書公開時での実施については日本 側の要請を受け入れたが、「今回公開を見合わせた案件を来年一月 の文書公開時に公表したい」(韓国外務省幹部)と、日本側に再考 を促している。  日韓交渉をめぐる文書公開の是非は両国外務省のアジア局長会議 などでもとり上げられ、「日本側が韓国の方針に強いクレームをつ けた」(同)ため、「日本と協議の上、最終決定する」ことで事実 上、決着。韓国側が昨秋ごろまでに今年の公開文書のリストを提示 する段取りになっていた。  部分公開で再考を求める韓国側に対し、日本の外務省は「両国が 納得のいく部分から公開することにはやぶさかではない」(外務省 幹部)として一応前向きの姿勢をみせている。        ーーーーーーーーーーーーー   朝日新聞の解説(97.2.20)によれば、日本が30年を経過した外交文書 を非公開にするのは次の場合です。 (1)国の安全を損なう (2)関係国との信頼関係を傷つける (3)現在進行中の交渉に影響を与える   ただし、これは「日本の」外交文書公開についての原則であって、外国の 文書非公開要請の話ではありません。今回のように、外国政府に非公開を要請 するというのは異例のことです。こうした姿勢に朝日新聞は疑念を示し、  「国交正常化をめぐる日韓交渉当時の外交文書を部分公開しようと  いう韓国の意向に外務省が「待った」をかけたことは、日韓両国が  めざす「未来志向の関係」と逆行する動きと受けとられかねない。  過去を隠して未来を築けるという理屈は成り立たない」 と論評しました。ただし、朝日新聞は全面公開を主張しているのではなく、日 本の国益に配慮し、こう述べています。     「日韓間の最大の懸案だった賠償問題や領土問題などの公  開は「国益」に反するとしても、韓国側が打診してきたような実務  会談などの記録まで日朝交渉に影響を与えると断言できるのか。   外務省も昨年から日韓交渉関係の文書整理など公開へ向けた準備  を本格的に始めたが、韓国側の部分公開がどのような影響をもたら  すのか内部で具体的に議論した形跡もない。逆に、外務省内には、  「日韓交渉と聞いただけで、公開を嫌悪する空気がある」(外務省  筋)。さらに、「日本側は理屈ではない。感情的に反対している」  (韓国外交筋)といった不満もくすぶっている」   どうも外務省には、何か感情的に部分公開すらできない事情があるのか、 不透明さを感じさせます。これは法務省も同様です。こちらは「在日韓国人の 法的地位など国籍関連の文書公開に法務省が難色を示している」とされていま すが、国籍関連文書が非公開の三原則に決定的に抵触するとはどうしても考え にくいところです。   法務省が文書公開でおそれているもの、それは過去の法務省施策の妥当性 が問題になることではないかと私は想像しています。   たとえば、法務省はかって日韓会談において、在日韓国人の困窮者を韓国 政府が引き取るか、困窮者の生活保護を打ち切ることを韓国政府に提案したよ うでした(池東旭「在日をもうやめなさい」、論座96年9月号)。   かって、日本帝国臣民であった在日韓国人を有無を言わせず外国人にして しまい、そのうえ、今度は困窮外国人という理由で追放してしまうような政策 が許されるはずがありません。   現在、ここの会議室で朝鮮人強制連行が論議されていますが、困窮者の中 には一部ですが強制連行され日本に定着した人も当然いました。そうした日本 帝国の国策により日本に居住するようになった人たちを追いだそうとする提案 などは、日本の戦争責任の問題とからんでどのような非難を浴びるのかはかり しれません。   こうした法務省の非人道的な対応や、当時、「外国人は煮て食おうと焼い て食おうと自由」と豪語した池上発言に端的にみられような法務官僚の人権感 覚などが明るみに出され、火の粉を浴びるのを法務省は懸念しているのではな いかと思います。   http://www.han.org/a/half-moon/  (半月城)


文書名: RE:関東&関西オフ会 [zainichi:1808] Date: Wed Mar 19 21:28:55 1997   さて、関東オフですが、「一期一会」というとおおげさですが、私には貴 重な出会いがいろいろありました。   私のホームページを作っていただいている金明秀さんとは、何を隠そう、 この席が初顔合わせでした。豊橋地震の余波で、ひょっとすると会えないかも しれないと思ったりしましたが、神仏もそれほど意地悪ではなかったようでし た。   幹事のみらくるさんや金哲煕さんは、今までそれぞれのサークルをまとめ てきただけあって幹事にはうってつけのキャラクターのようですね(^_^)。と いうことで、これからも適任者として一働きお願いします。   今までメールのやりとりだけだけで、顔の見えなかった竹之下さんや関さ ん、森永さん、鵜飼さんなど今回のオフ会をとおして具体的なイメージが浮か ぶようになったから不思議なものです。これがオフ会のいいところでしょうか。   一方、今までふれあう機会がなかった徐助教授や橋本さん、それに紅一点 の永山さん、これからどのような縁があるのか楽しみです。それにしても、皆 さん若いので、あらためて自分の年を感じてしまいました。   次の機会には関西方面の人とお会いしたいと思います。


文書名:反日と親日、RE:1862 [zainichi:1877] Date: Wed Mar 26 07:36:17 1997 しょうこ@堺さん、こんにちは。半月城です。    #1862,しょうこさん、  >しかも半月城さんを「20~30代の女性だ。たぶん気があうで」と思っ  >てたのでひとり勝手におどろいてしまいました (^^;;   関東オフ会ではビックリさせてしまったようですね。何しろ私は「半月嬢」でなく 、おじさんだったのですから・・・。しかし、私の書く文章が女性的にみえるとはこっ ちもビックリしました。おあいこですね   パソコン通信は文章の世界なので、誤解はつきもののようです。私はネット上では よく誤解されます。極端な例として、ニフティの会議室FNETDで、私のことを「在 日韓国人」をかたる反日「日本人」ではないかという噂がたったくらいでした。   もっとも、私は生まれたときは日本人でもあったので、そのまま日本人を名乗って いても、グローバルにはそれほど不自然ではありません。というより、アメリカなど出 生地主義の国から見ると、私が日本国籍を持っていない事実のほうがかえって理解しが たいのかもしれません。   ノンフィックション作家・金賛汀さんの娘さんはイギリスで友達にそうした事情を 納得させるのにすこし苦労したようでした(金賛汀「在日という感動」三五館)。 さて、ニフティで誤解された話ですが、これは内心すこし穏やかではありません。 FNETDは反「自虐史観」論者の発言力が強く、世情とすこし違った会議室ですが、 彼らは私を在日韓国人をかたり反日的なことを口にする日本人と決めつけたがっていた ようでした。   この意識の裏には、在日韓国人が語る、いわゆる「反日的」な発言にはさからいに くいという意識があるのか、それとも、韓国人は「反日的」なことを発言して当たり前 という意識などが彼らにはあったのでしょうか?   そういえば、しょうこさんはオフ会の時、たしか「議論に在日を持ち出すと皆、妙 に納得してしまう」とか言ってませんでしたっけ? あの時はすこし酔っていたので、 記憶が定かではありませんが。これなど会議室FNETDの潜在意識と一脈通じるもの があるかもしれません。   なお、私は反日家ではなく、親日家ですので誤解のないように願います。韓国では 「親日派」という語は特別な意味を持ち、自分は親日家であるなどとはおいそれと言え ませんが、私などは気楽に親日家を名乗れます。そうした立場こそ両国の相互理解の橋 渡しには重要で、それにすこしでも貢献するのが在日韓国人の務めではないかと思いま す。     http://www.han.org/a/half-moon/  (半月城通信)


文書名:インターネットへの転載 [zainichi:1821]  Date: Thu Mar 20 23:23:37 1997 TENSAI MONDAI   下記の記事について、NIFTY、FNETDのシスオペさんから、この ようなコメントがありました。  >#2444の手順を拝見した限りでは転載手続きそのものに関しては、何ら問  >題ありません早合点をお詫びいたします |- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策 97/03/20 - |02444/02444 PFG00017 半月城 インターネットへの転載 |( 7) 97/03/20 07:54 02426へのコメント   おわびですが、私の発言#2434がMACを誤作動させてしまったよう なので、#2434を削除し、あらたにUPし直します。松本さんにはご迷惑 をおかけしました。以下は#2426に対するコメントです。   藤原さんは、SYSOPとして書かれたのでしょうが、下記の発言に、私 は狐につままれた思いです。     > 半月城ホームページの報告は了解しました。で結論から言えば「はい、  >それでは半月城さん、ホームページへFNETDの記事を転載するのをお  >止め下さい」です。   藤原さんは何か大きな勘違いか早合点をされておられるのではないでしょ うか?   私がインターネットへ転載した記事は、会議室で現在検索できる範囲では 下記のとおりで、すべて私の発言全文です。私の発言以外で転載した記事は、 だいぶ前に一件だけあったと記憶していますが、それはすでに報告済みです。       ーーーーー 転載記事一覧 ーーーーーー 番号 ID 登録日 TO CO 題名 > 1470 PFG00017 11/17 23:29 01126 2 RE:サハリン韓国人は強制連行の被害者? > 1522 PFG00017 11/24 17:43 01418 0 植民地・朝鮮の憲兵警察 > 1523 PFG00017 11/24 17:44 01493 1 産米増殖計画 > 1584 PFG00017 12/01 9:39 01126 2 「官あっせん」および「徴用」 > 1585 PFG00017 12/01 9:39 01493 1 面長は旧両班? > 1641 PFG00017 12/08 23:32 01126 1 サハリンへの強制連行 > 1687 PFG00017 12/15 23:20 01088 12 サハリンからの引揚げ > 1742 PFG00017 12/23 22:25 01663 1 RE:サハリンへの強制連行 > 1768 PFG00017 12/30 11:34 01714 0 サハリン残留韓国人の国籍 > 1772 PFG00017 01/02 22:44 01770 1 RE:教えて(竹島) > 1773 PFG00017 01/03 12:26 01714 0 韓国・台湾居住者の「日本国籍」喪失 > 1779 PFG00017 01/04 17:27 01714 1 在日朝鮮・台湾人の国籍 > 1784 PFG00017 01/05 22:32 01541 0 GHQの在日朝鮮人政策 > 1827 PFG00017 01/17 23:32 01689 0 GHQ・日本政府の在日朝鮮人政策(2) > 1834 PFG00017 01/19 14:42 01670 4 留学生と国際化 > 1902 PFG00017 02/02 7:45 01861 1 梶山発言と公娼制度 > 1954 PFG00017 02/09 13:33 01918 4 「従軍慰安婦」志願者 > 1988 PFG00017 02/11 23:35 1 麻生軍医と理想的な「従軍慰安婦」 > 2019 PFG00017 02/15 0:19 01962 1 西尾幹二教授の学問的姿勢 > 2062 PFG00017 02/16 22:25 02001 3 「従軍慰安婦」とアジア友好 > 2096 PFG00017 02/18 22:12 02028 2 転載、植民地時代の公娼 > 2152 PFG00017 02/23 23:30 02001 1 フィリッピン「従軍慰安婦」の強制連行 > 2160 PFG00017 02/24 21:48 02158 0 RE:フィリッピンと朝鮮の慰安婦問題の違い > 2211 PFG00017 03/01 21:32 02074 6 女性と「従軍慰安婦」 > 2311 PFG00017 03/09 22:33 02234 2 アジアでの買売春 > 2380 PFG00017 03/16 11:17 02349 4 「従軍慰安婦」問題と日本の外交政策   ここの会議室の記事は「転載自由」とのことでしたので、これらの記事は メーリングリストへほぼ同日、ホームページへ数週間遅れて転載しました。私 の記憶が正しければ、私自身は下記以外に転載はしていません。ただし、メー リングリスト[aml] は転載自由なので、さる方が他のネットへ再転載されてお られるようです。こうした転載こそがネットワークデモクラシーというもので はないでしょうか。        ーーーー 転載先一覧 ーーーー aml@jca.or.jp         メーリングリスト[aml] zainichi@cup.com       メーリングリスト[zainichi] http://www.han.org/a/half-moon/ ホームページ「半月城通信」   藤原さんにお伺いしたいのですが、この転載は一体何が問題なのでしょう か? 何かルールに反しているのであれば、そのルールの詳細をお教えくださ い。   http://www.han.org/a/half-moon/ (半月城通信)


半月城の連絡先は half-moon@muj.biglobe.ne.jp です。