- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策
00566/00566 PFG00017 半月城 「従軍慰安婦」20、質疑応答1
( 7) 96/07/13 18:15 00550へのコメント
河原さん、どうも返事が遅れました。ご賢察のとおりです。このたびの
私の「従軍慰安婦」シリーズに対する反応や、これらを載せてオープンした私
のホームページ「半月城通信」に対する反響がかなり寄せられ、その対応にお
おわらわの毎日です。さらに、仕事のほうでも来週からの海外出張のしわ寄せ
が来るなどかなり忙しく、この会議室のフォローはつい後回しになりがちです
のでご了承下さい。
さて、河原さんの質問(#550)ですが、疑問符のついているところ
を文末に(注)としてピックアップしました。これらを総合すると河原さんの
意見は次の三点に集約されるように見受けられます。
1。「従軍慰安婦」の日本政府に対する個人補償や請求権はすでに存在しない。
2。その請求権は「日韓協定」や「日中共同宣言」などですでに解決された。
3。その認識に基づいて、韓国政府は「従軍慰安婦」に生活支援策を実施して
いるし、中国政府は「従軍慰安婦」などの発言を抑えている。したがって、
「従軍慰安婦」の個人補償請求はそれ自体無理がある。
このように整理すると、問題の焦点は日韓協定などで「従軍慰安婦」個
人の請求権は消えたかどうかに絞られると思います。そのためには日韓協定、
特に請求権協定をもう少しくわしくみる必要があります。
もともと日韓請求権協定はそのタイトルにあるように、
(1)財産および請求権
(2)経済協力
について「どんぶり勘定」で合意し、3億ドル相当の生産物・役務の無償供与
がなされ、あわせて2億ドルの有償借款がなされました。これについて、日本
政府は(2)の経済協力を強調し、他方の韓国政府は(1)の請求権を強調し
ました。
日本、韓国政府共に、国民をだましたというと語弊がありますが、両国
政府は請求権協定に限らず、日韓併合条約など協定全般を自分に都合のいいよ
うに一方的に解釈し、相手国民にはとうてい通用しないような独善的な説明を
それぞれの国民にしてきました。外交交渉はお互いの妥協の上にまとまるので
すから、それはそれでやむを得ない面があります。
さて、請求権協定に達するまでの韓国政府の立場ですが、財産および請
求権についてそれなりの根拠を示し一貫してそれを要求してきました。その要
求の成果として、3億ドル相当の無償供与を賠償ないし補償金として1965
年から受け取りました。
それまでの韓国政府の要求の根拠の中にはもちろん「従軍慰安婦」に対
する補償は含まれていませんでした。これについて、国連のクマラスワミ報告
書は次のように指摘しました。
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日本政府は法的責任について、サンフランシスコ講和条約(一九五一年)
や日韓協定(一九六五年)で解決済みとの立場を取っているが、報告書は、当
時は慰安婦問題は考慮されておらず、被害者が個人補償などを求める権利は国
際法で認められていると反論している(96.02/06 読売: 慰安婦問題で国連人
権委が報告書)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私もこの報告書のように、少なくとも「従軍慰安婦」については請求権
協定の範囲外で韓国政府が補償する筋合いはないと思っています。
現在、韓国政府は「従軍慰安婦」に対し、河原さんが指摘されたように
「93年8月から生活支援策を実施」していますが、これはもちろん補償では
なくあくまでも生活支援策です。彼女たちが負った「精神的」「肉体的」苦痛
は生活援助金ではとうてい償えるものではありません。
次に、「従軍慰安婦」以外の個人補償ですが、当時すでに問題視されて
いた分については少なくとも韓国政府は請求権協定の中に個人補償も含まれる
と当時解釈していたと思います。
一方、日本政府の国会での公式見解は#525に書いたように「個人の
請求権は条約により消滅していない。しかし国が個人に代わり外交保護権とし
てそれを請求することはできない」というものです。
私も、「従軍慰安婦」のような悲惨な人権侵害は、財産権などお金で解
決がつく問題とは違って、「個人補償の権利を国家が条約で勝手に放棄するこ
とはできない」という日本政府の主張に共感します。これについて、河原さん
はどのようにお考えでしょうか?
次に、中国政府の対応ですが、日中共同宣言で個人補償を放棄したわけ
でもないのに、北京女性会議などで元「従軍慰安婦」の発言を抑えているのは、
日本との友好関係を悪化させたくないためであるという見方を、確か朝日新聞
だったか採用していた記憶があります。
しかし、これは状況や政権担当者が変われば、中国政府は個人補償請求
を後押しする可能性があります。すでに銭其深・副首相兼外相の発言「賠償請
求放棄に個人の賠償請求は含まれない」にその兆候がみられます。
その時、日本はどのように対処すべきでしょうか? 731部隊の犠牲
者は「従軍慰安婦」にひけをとらない人権侵害といえますが、こうした人たち
の訴えに対し、今日の世界的な人権意識の高揚に逆らって萩原さん(#562)
のように
>どこの国でも 主権国家だというならば、自分達の同胞は自分達の手で救
>うことが基本です。それができない無能な政府は国家を解体したほうが良
>いでしょう
という見方を河原さんも採用されますか? 以上二点につき質問したい
と思います。
(注)河原さんの疑問
1。韓国政府が自国の元従軍慰安婦にたいして93年8月から生活支援策を実
施しているのは何故でしょう?(これは韓国政府が日韓協定によって、みず
からの補償義務を果たしていることを示しているのではないのか)
2。(したがって)日本に「従軍慰安婦」の賠償を求めることは筋違いではな
いでしょうか。
日本政府が補償要求に応じなければならない理由は何なのでしょうか?
3。自国政府でさえ認めていない「請求権」に日本が応じなければならない理
由は何なのでしょうか?
4。半月城さんは「訴訟の壁」が、日本(政府)だけに存在するように考えて
おられるようですが、むしろそれは韓国や中国の政府にあるのではないでし
ょうか?
そしてそれは、「請求権」の存在自体に無理があるからではないでしょうか?
- FASIA MES(10):【アンニョンクラブ】 韓国・北朝鮮
02527/02527 PFG00017 半月城 「従軍慰安婦」21、質疑応答2
(10) 96/07/13 23:41 02467へのコメント
えーす寝台さんのいくつかの質問に答えたいと思います。まず、勘違い
の件ですが、えーす寝台さん曰く、
>>クマラスワミ氏自身が『「家庭内暴力」については詳細に報告したが、慰
>>安婦報告書については「提出した。日本政府の批判に留意する」と述べた
>>だけだった。」(共同 4/19)んですけど。半月城さんはなにか勘違いさ
>>れていませんか?クマラスワミ氏は最終的には『慰安婦問題』に関して詳
>>細に報告していないんです。これに対して日本政府がどのように法律論争
>>を仕掛けられるのでしょう?
私は時々勘違いをします。しかし、NHKは勘違いをしていないと思い
ます。日本政府がしかけた法律論争の経過は#2057に書きましたが、それ
に加筆します。
96年2月、特別報告者、クマラスワミさんが報告書「女性に対する暴力の廃
絶に関する特別報告」を提出。
96年3月(?)、日本政府は、人権委員会に「『女性に対する暴力』特別報
告官(クマラスワミ氏)により提出された報告の第一付属文書(従軍慰安婦
関係) についての日本政府の見解」と題した40ページの反論書を提出。
その骨子は
1。クマラスワミ報告には事実誤認があり、信憑性・中立性に欠けるので人権
委員会はこれを拒否すべきである。
2。報告者の国際法の解釈には基本的な誤りがある。伝統的な国際法では過去
に遡って罪を裁くことはできない。
3。日本の法的責任はサンフランシスコ平和条約で解決済みである。
(NHK、ETV「従軍慰安婦」、96.5.20)
この主張に沿った文書を各国政府代表にも配布しました。その内容は、
報告書は「恣意的で根拠のない国際法の“解釈”に基づく政治的発言」あると
決めつけていました。そして、「このような議論を受け入れるならば、国際社
会の法の支配に対する重大な侵害となろう」と報告書を非難しました。
この文書を受け取ったアジアの政府高官の間では「国連が任命した報告
官を中傷するものだ」とか、「脅しともとれ、委員会の構成国に対する圧力だ」
との反発も広がったということでした(朝日新聞、ニュース速報,1996.5.8)。
96年3月末
日本政府は上記の反論書を撤回し新たな見解書を提出。上記の主張を大
幅に変更。新たな主張は、
1。(報告は)十分な根拠がなく、日本政府は重大な留保をする。
2。日本の歴代の首相が謝罪と後悔を表明してきた。
3。女性のためのアジア平和基金で償いをしようとしている。
というのが主な内容で、見解書では具体的な法律論争を撤回しました。
次に国際法違反の認識ですが、
>>『現在』の日本政府は国際法上の責任を認めてはいませんし、そのような
>>コメントもしておりません。
『現在』の日本政府の立場はそのとおりであると思います。ただ私がい
いたいのは、日本政府は<「従軍慰安婦」問題の法的責任はサンフランシスコ
条約などで解決済み>と主張しているので、現在は法的責任がないと考えてい
ても、戦時中の「従軍慰安婦」制度自体は法的責任を負うべき性質のものであ
ると認識しているのではないだろうかという点です。また、ここでいう法律は
国内法ではないので、国際法であると考えられます。
次はユスコーゲンスですが、
>> ユースコーゲンスが国際的に確立されたのは1969年の『条約に関するウ
>>ィーン条約』によってです。学説のみで条約が無効になった事例がありま
>>したらご紹介ください。
法律について私は素人でよくわかりません。満月上さん、ひまになった
ら教えていただけませんか?
最後は、アメリカの日系人強制収容の問題です。
>> アメリカの日系人はアメリカ国籍で、現在名乗り出られている元「慰安
>>婦」のかたは外国人だということをお忘れなく。
これについて興味深い資料がありますので引用します。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
そういえば、アメリカとカナダは大戦中の日系人強制収容問題について、
「謝罪と補償」を行ったが、両国は89年に日本にも係官を派遣し、その問い
合わせに応じたり、申請の受付を行った。「当時の収容者であれば、その後ど
こに住み、どこの国籍を持つかによって影響は受けないのである。
(田中宏他著「戦争責任・戦後責任」朝日選書P46、1994)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
以上で回答は終わりますが、えーす寝台さんの#2468、
>> しかし、しかしです。今現在、日本の戦後処理の拙さからたくさんのか
>>たが苦しんでいる、そういう現実があるわけです。これに対して日本政府
>>は『重大な』道義的責任があるにもかかわらず消極的な対応しかしていな
>>い。これについて私としては不満があるわけです。前にも書きましたが、
>>政府による国家補償はおそらくできないと思います。でも、政府が『財団
>>法人女性基金』に資金を拠出し、元「慰安婦」に『償う』ことは可能だと
>>思うのです。私は日本政府にも不満がありますが、この『女性基金』を姑
>>息な手段で潰そうとする運動体にも疑念があります。
この文章を読んで始めて、えーす寝台さんの一連の主張が理解できるよ
うになりました。これを最初のほうで書いてくださればよかったのですが。
アジア女性基金の理事会は、国庫金を実質的に補償額の上乗せとする方
向で動き出しました。7月11日の朝日ニュース速報は
「アジア女性基金(原文兵衛理事長)の作業部会は十日夜の理事会で、元
従軍慰安婦に対し、一人二百万円以上の「償い金」とは別に、国庫から今後十
年間で総額七億三千万円を医療・住宅費など「生活支援金」として支給するこ
とを提案。外務省は大筋で同意し、実質的に補償額を上乗せする方向となった」
と報道していました。これは、ドイツのポーランドに対する和解基金を連想さ
せます。
http://www.han.org/a/half-moon/
PFG00017 半月城
- FASIA MES(10):【アンニョンクラブ】 韓国・北朝鮮 96/07/14 -
02531/02531 PFG00017 半月城 「従軍慰安婦」22、質疑応答3
(10) 96/07/14 10:08 02515へのコメント
個人の請求権を日韓条約で放棄したのは日本・韓国両国の憲法違反では
ないのかという小野Kim貴史さんの疑問はもっともであると思います。
韓国憲法との関連については私はよく知りませんが、日本国憲法との関
係についてはこの会議室#2346に書きました。意表をつかれるかも知れま
せんが、日本政府の見解は下記のように「国が放棄したのは、個人の請求権そ
のものではなく外交保護権であった」としています。したがって憲法違反では
ないと解釈しています。
「・・・いわゆる日韓請求権協定におきまして、両国間の請求権の問題
は最終かつ完全に解決したわけでございます。その意味するところでございま
すが、日韓両国間に存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決
したということでございますけれども、これは日韓両国が国家として持ってお
ります外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、
いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものでは
ございません。日韓両国で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げ
ることはできない、こういう意味でございます」
(1991.8.27 衆議院予算委員会会議録第3号10ページ)
また、こうした見解を持つに至った歴史的背景は#2458に書きまし
たのでご参考にしてください。そこにも書きましたが、私もこの日本政府の考
え自体には賛成します。ただし、日本政府の戦争補償の二重基準には反対です。
終わりに個人的なことですが、来週から出張のため10日くらいパソコ
ン通信を休みます。
半月城
PCVAN JREK #3055/3056 日本史ボード
★タイトル (SPM07550) 96/ 6/30 19:51 ( 34)
【古代史】松本氏の日本人北方起源説>#2957 半月城
★内容
カーターさん、埴原和郎氏が松本氏の北方起源説をどのようにみている
かご存じですか? あるいはご存じかも知れませんが、カーターさんの書き込
みにはそのことがふれてなかったので念のためにその意見を紹介します。
(松本は)「・・・日本民族の起源は、シベリアに、さらにいうならば、
バイカル湖畔にあると結論する」といい切っている。
このように、松本氏の研究には種々の特異な点があるため、いくつかの
疑問が私どもの頭をか
すめる。その一つは、他の多くの遺伝子と違って、なぜ
ガンマグロブリンの遺伝子だけが広い地域にわたって均質な頻度を示すのか・
・・という疑問。第二は他の遺伝子ではなく、とくにこの遺伝子だけが日本人
の起源にとって重要だと考えるのはなぜか・・・という疑問。第三は、「日本
人の起源がバイカル湖畔にある」という結論を、なぜこのように性急に出さな
ければならないのか・・・という疑問である。
松本が調査し、日本人にもっとも近いとしたブリアート族は、モンゴル
語群(アルタイ語族)に属するモンゴル語族の一種だが、古く見積もっても1
2ー13世紀のモンゴル帝国時代に萌芽を持つ新しい部族である。またバイカ
ル湖沿岸に人口の多くが集中したのはせいぜい17ー18世紀いらいで、多分
に政治的または経済的理由によるものである。がんらい、彼らは蒙古、東部シ
ベリア、中国東北部に広く分布していた人々であり、<ブリアート族>という
名称も民族名(言語族)であって、人種名ではない。それにもかかわらず、松
本がバイカル湖沿岸という特定の地域を日本人の故郷と結論した理由は何か。
これは民族と人種の混同ではないのか。
尾本恵市(1993)は松本説を紹介した論文の中で、「・・・ただ一
つの多型で集団の起源を論ずるのは危険であり、今後より多数の遺伝子座をも
とにこの問題を論ずる必要がある」といっている。私も同感だが、さらにつぎ
の言葉をつけ加えたい。
人間の集団は、それが人種であれ民族であれ、ヒト・文化・自然の複雑
多岐にわたるからみあいの中で形成され、また絶えず変容していくものである。
このダイナミズムを無視して、人種や民族の形成史を語ることは不可能である。
いずれにせよ、松本のデーターをどのように理解すべきかということは、
正直のところよく
わからない。そこで今は、このような遺伝子の存在が報告さ
れているという事実を紹介するにとどめる。
(埴原和郎氏著、「日本人の成り立ち」P246人文書院、1995)
半月城
文書名:[zainichi:494]朝鮮奨学会
Message-Id: <199607222043.NAA13845@hopemoon.lanminds.com>
Date: Mon Jul 22 13:43:29 1996
皆さんは朝鮮奨学会をご存知でしょうか? 在日韓国・朝鮮人学生に奨
学金を支給している財団法人です。戦前からあるこの団体は東京・新宿で貸し
ビルを経営し、その利益で中立の立場から奨学事業を行っています。昔、私も
ここにはお世話になったことがあります。その上、現在は息子がお世話になっ
ています。この奨学会で最近ちょっとした異変が起き、それに関連して署名用
紙が回ってきましたので紹介します。
半月城
ーーーーー 署名用紙 ーーーーーーーーー
梁東準氏の朝鮮奨学会への復職を要請します。
本年の三月、朝鮮奨学会の評議員で梁東準氏が突然、理事を解任されたこ
とを知り、大変驚いています。あまりに唐突な出来事でしたので、何がなにや
ら、さっぱりわかりません。朝鮮奨学会に事のいきさつを問い合わせても、口
をにごすだけで、明快な説明が得られませんでした。
梁東準氏は、25年以上の長きにわたって朝鮮奨学会で働いてきました。
日本の学校に学ぶ在日同胞の子供たちを訪ねて全国各地の高校の門を叩き続け
て来ました。門前払いに合っても、冷たくあしらわれても、めげることなく、
ねばり強く何回でも足を運んで行った氏の熱意と努力に、固く閉ざされていた
校門が開かれていったのです。その事によって、その内部で他人の目を気にし
ながら、もんもんと苦しんでいた、たくさんの同胞の子供たちが、どれ程勇気
づけられたかわかりません。
「いじめ」や「教師による差別」事件を耳にすれば、どこへでも出かけて
いきました。そして、虐げられている子供を守るために常に誠実に事に対処し
てきました。子供達へ注ぐ氏の視線がどこまでも温かく純粋であればある程、
虐げるものへの攻撃には容赦しませんでした。”理不尽””不正義”に立ち向
かう氏の姿に、人はよく、あの柔和な面差しのどこにそんな激しさが潜んでい
るのか不思議に思うと言います。「差別」や「いじめ」の側にある学校や教育
委員会を相手にした時の舌鋒の鋭さには定評があります。
あまたの「いじめ」や「差別」事件の解決に奔走するかたわら氏は日本人
教師への啓蒙活動も活発に行ってきました。学校単位で、あるいは学校を管轄
する地区の教育委員会での講演を通して「在日韓国・朝鮮人の教育問題」への
関心を促して来たのです。その講演回数は150回を越え、東京23区の教育
委員会は、一度、氏を招いて研修会を持ったと聞いております。
このように、梁東準氏氏の活動は朝鮮奨学会の奨学金給付に限定されたも
のではなくもっと幅広く、在日同胞の教育全般にわたるものでした。
在日の社会も、一、二世の時代から三、四世の時代に移ろうとしています。
民族や母国を肌で実感できない三、四世の教育問題には深刻なものがあると民
団内部でも議論されています。価値観が多様化している今日、民族教育問題も
ますます複雑になっています。それ故にこそ、梁東準氏が培って来た業績、豊
富な体験と、その専門的知識が必要なのだと思います。
今、梁東準氏を朝鮮奨学会から失うことは、在日同胞社会全体にとって大
きな痛手です。氏の活動に共鳴し、時に激励されながら支援してきた者として
梁東準氏の朝鮮奨学会理事への復職を心より要請いたします。
1996年6月
呼びかけ人
安 王錫
金 博夫
高 二三
朝鮮奨学会評議委員会貴中
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| 姓 名 | 住 所 (および学校名) | 印 |
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連絡先 東京都千代田区飯田橋2ー13ー9 不二ビル
新 幹 社
TEL 03-3221-9947
- FNETD MES( 7):情報集積 / 海外政策
00583/00584 PFG00017 半月城 半月城通信
( 7) 96/07/23 22:01 00572へのコメント
個人的な都合によりちょっと間が空きましたが、#572および#56
7に対するコメントを遅ればせながら何回かに分けて述べたいと思います。
まずは書きやすいところから書き、サハリン残留韓国人の問題などは後回しに
したいと思います。
>>なかなかお忙しいようですが、「半月城通信」などへの反響はどのような
>>ものでしょう?
>>賛否が半ばという状況でしょうか?
ホームページ「半月城通信」に対する反応はすべて好意的なものばかり
です。こう書くと自画自賛に聞こえるかも知れませんが、これは当然といえば
当然かも知れません。というのは、戦後補償問題などを「くだらない」と思っ
ている人はまず私のホームページにアクセスしないでしょうし、またたとえア
クセスしても感想をわざわざメールでよこさないでしょうから。
コメントの主なものを紹介すると次のとおりです。
・「従軍慰安婦」シリーズはよくまとまっているので、所属している協会の勉
強会のテキストに使いたい。
・ナチスが虐殺したのはユダヤ人600万人にとどまらない。ロマ民族や彼ら
が社会的に無用と判断した人たち500万人が犠牲になった。また、ナチス
の強制収容所にも慰安施設があった。
・日本が「従軍慰安婦」に個人補償したがらないのは、いったん補償を始める
と収拾がつかなくなるからである。それほど日本は過去にひどいことをした
が、そうした補償でつぶれるような日本なら、そもそも世界平和になど貢献
できるものではない。
・在日問題あり、市民運動論あり、さらに、古代史や秀吉朝鮮侵略の論議あり。
これだけのディスカッションをこなしているとは、敬服しました。
・民族教育についての書き込みを、所属する会の会報に転載したい。
おわりに、ご参考に私のホームページの「ごあいさつ」を記します。
私のモットーは「定住韓国人としてさわやかに生きる」というシンプル
なものです。この立場から私はこれまでパソコン通信「ニフティサーブ」や
「PCVAN」にて、韓国・朝鮮に関する話題でかなり発言してきました。
ある時は、ふだん日本人には軽く見過ごされてしまうような何気ないこ
とでも、私たち定住外国人にとっては時には重大な問題になり得るということ
を書きました。またある時は、昔、日本は朝鮮半島と意外な関係にあったこと
を興味本位で書きました。
そうした書き込みの山が、ホームページ [The HAN World] を主宰され
ている金明秀さんの目に止まり、同氏の勧めと全面的なご協力により、同氏の
[The HAN World] の中にホームページ「半月城通信」を開設しました。通信文
は本来対話形式であるのに、通信集の中では私の一方的な意見だけ載せている
のでちょっと読みずらいかも知れませんがご了承下さい。
なお、このホームページについてご感想なりご意見がありましたら下記
へ遠慮なくメールをください。今後の参考にしたいと存じます。
http://www.han.org/a/half-moon/
半月城
半月城の連絡先は half-moon@muj.biglobe.ne.jp です。